鹿島の新人FW山口一真がJ1デビュー、いきなりアシスト!「ワクワクした」
J1デビュー戦でアシストをして、勝利に貢献した山口。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
関西大学リーグのアシスト王を3度受賞した片鱗を見せつける。
[J1 8節] 鹿島 2-0 名古屋/2018年4月14日/県立カシマサッカースタジアム
阪南大から今季鹿島アントラーズに加入したFW山口一真が8節の名古屋グランパス戦でJリーグデビューを果たし、金崎夢生の2点目をアシストして勝利に貢献した。
ケガ人が相次ぐなか、練習から貪欲に取り組んできたルーキーに待望の出場機会が訪れた。75分、前線でハードワークを続けた鈴木優磨と交代しそのまま2トップの一角に入ると、前線からのチェイスを怠らず、虎視眈々とゴールのチャンスを狙っていった。
「緊張よりもワクワク感のほうが強かったです。Jリーグでプレーすることを、子供の頃からずっと思い描いてきたので、まずデビューできてとても嬉しかったです」
そう語る山口は、相手DFにプレッシャーを与え、少し下がってボールを受けるなど駆け引きをする。そして88分、金崎の相手選手へのチェイスからこぼれたボールを山口が拾う。すぐ前を向いて、ゴール前へ絶好のポジションを取って走り込む金崎へパスをつないだ。相手ミスを見逃さず2対3の状況からアシストし、貴重な追加点をもぎ取った。
「大岩監督からは裏をどんどん積極的に狙って行けと指示を受けました。ただ自分の動き出しも悪く、なかなかボールが出てこなかったので、下がって起点になるなどして、そこからアシストにつなげられました」
阪南大時代は2014、16、17年と3度、関西大学リーグのアシスト王に輝いている。そのセンスをデビュー戦でさっそく見せ付けた。
「アシストする能力には自信があったので、あの場面では丁寧にボールをつなぐことができました」
金崎がゴールを決めたあと、山口も喜びの雄たけびを上げた。そこに内田篤人らが加わり歓喜の輪ができあがり、鹿島は4試合ぶりの勝利を収めた。
ここで一仕事したことは、本人にとっても、チームにとっても大きなことだ。そして山口は続ける。
「強いて言うならば、1、2本チャンスがあったのにパスを選択してしまったのは心残りでした。また次のチャンスが来れば思い切って足を振って、チームの勝利に貢献したい。そのために練習に力を入れていきたいです」
試合前よりも、山口はさらに貪欲になっていた。そして鹿島の背番号19もまた一回り大きくなったように見えた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI