松本の名波監督、コンビニもジョギングコースも変えた。松本が京都から執念の勝点1
名波浩監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「この価値ある『1』を次につなげたい」
[J2 25節] 松本 2-2 京都 /2021年9月7日/サンプロアルウィン
J2リーグの順延になっていた25節、松本山雅FCは河合秀人と伊藤翔のゴールで、勝てば首位に浮上していた京都サンガF.C.と2-2で引き分けた。京都の宮吉拓実は2得点。松本は19位のままだが、残留圏内18位の大宮アルディージャと勝点26で並んでいる。
ノーゴールでの3連敗。直近は0-4が2試合続いた。そこから中2日、今季コンスタントに結果を残してきた京都から4試合ぶりの複数得点を奪取。松本山雅の名波浩監督は次のように、この執念の1ポイントに頷いた。
「まず一番に考えたのは選手、スタッフ、会社の人間を含め、内部にいる人間が、心が落ちていないかとずっと心配していました。自分自身もそうですけれど、こうした悪い結果が続くと、どうしてもメンタルがインにインに入ってしまいますが、そんななかで、選手たちも、それから僕自身もこの流れを変えようと、必死で取り組んだ時間を過ごしました」
何かを変えなければ。名波監督は普段の生活の流れにも変化を施した。
「例えば戦術やメンバーのことは一つ置いておいて話しますと、ボードの書き方を変えたり、普段行っていないコンビニに行くとか、そういう下らないかもしれないですけれど、何かをしないと気が済まない状況でした。いつも試合当日ジョギングしますが、そのコースも変えてみました。本当にいろんなことをやって、流れを変えようとしました」
逆襲へ――。指揮官は「搾り取った(勝点)1ですが、これが次の『3』につながるように、それから残留争いを抜け出せるように、この価値ある『1』を次につなげたいと思います」と意欲を示した。
「曺貴裁監督は『なんでこんなに負けているんだという内容だな、なぜ(ゴールが)入らないんだろうな』とお世辞かもしれませんが言ってくれました。そこは自分たちが振り切る、やり切る、それしかなく、ゴール欠乏症のなかで前半に先制点が生まれたのは、内部の人間のメンタルを晴れやかにしてくれたシーンだったと思います。とはいえそのあと追い付かれ勝ち越しながらも、3ポイントを取れなかったのは反省点。課題にしっかり向き合い、選手も前を向いてくれています。中3日でコンディション調整がまた難しいですが、元気な選手でやっていきたいと思います」
松本は11日、アウェーで東京ヴェルディと対戦する。
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[文:塚越始]