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「プロとして重罪だと伝えた」名波浩監督が厳しい一言。金沢1-1松本、数的不利から土壇場で追い付いたが…

名波浩監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

一方、柳下監督「最悪ではなかった」と、逆襲への萌芽を感じ取る。

[J2 30節] 金沢 1-1 松本/2021年9月19日/石川県西部緑地公園陸上競技場

 J2リーグの残留を争うツエーゲン金沢と松本山雅FCの一戦は1-1で引き分けた。数的優位に立ちながらも先制点を守れなかった金沢にとっては痛恨、一方、松本は命拾いの1ポイントと言えた。

 しかし両チームの監督は試合後の記者会見、好対照と言えるコメントをしていた。

 松本の名波浩監督は、「最終的にセットプレーから1本決められて、勝点1を持ち帰ることができます。しかしそれ以上に、1-1になったあと、(金沢の)ヘディングシュートがポストを叩いたシーン。あのシチュエーションになるはずがなかった」と、同点直後のシーンを厳しく指摘した。

「10人になったなか、相手はパワーを持って人数をかけてくる時間帯でした。しかし、いるべきエリアにいない選手がいて、好き勝手に最後までやっていた。選手にロッカールームで言ったのは、もしもあのシュートが入っていたら『追い付いたのにやられた』だけで終わってしまうゲームだった、と。

 プロとしてやるべきことは、自分がやるべきスペースを消しながら、機を見てカウンターのチャンスを狙うのが10対11の原則。それを全て捨てて、フォワードのような位置にいた選手がいた。チーム全体で共有しましたが、それはもうプロではない、アマチュアの行動だと。佐藤(和弘)や橋内(優也)がピッチにいないなか、テクニカルエリアで何度も言っていたが、それをピッチで伝えられなかったことは重罪だと、今、選手に伝えてきたところです」

 そのように重要な局面で規律が統一されていなかったことを、指揮官は反省点に挙げていた。

 ただ「選手同士ですぐ話し合っていて、涙を流している選手もいました。そこは重々分かっていると思います」と、選手間でも問題点を共有し合い、解決に向けて徹底して話し合っていたという。改めてチームで一つになり、上を目指していく。

 一方、金沢の柳下正明監督は、むしろここで得たもの(失ったもの)を“前向き”に捉えていた。

「勝点3を取れなくて残念だけれども、最悪ではない。選手たちは勝点3を取ろうとピッチで表現してくれたと思う。ただし冷静に行かなければいけないなか、リードして数的優位に立ったあと、プレスに行ってかわされ、カウンターを食らってしまった。それに守備において何が危険かといえばセットプレーを与えること。ただ、そういったところを『冷静に、落ち着いてやれ』と言っても、実際にやるのは難しいのだと思う。

 しばらく勝っておらず、そういった経験はないのだろうけれども、しかし残り12試合、そういったところを学んでいってくれれば。今日のような試合をしていけば、チームの狙いを持ち、十分勝点を取っていけると思っています」

 そのようにチームの狙いは共有できていたことを指揮官はプラスに捉え、逆襲への萌芽を感じ取っていた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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