【浦和1-1G大阪】「FWゼロ」の功と罪。江坂とパトリックのPKでドロー
SBから前線までこなす明本考浩だが、G大阪戦は負傷で交代に……(天皇杯より)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
いずれもアディショナルタイムに決まる。
[J1 32節] 浦和 – G大阪/2021年10月16日15:00/埼玉スタジアム2002
J1リーグの浦和レッズ対ガンバ大阪は、後半アディショナルタイムの江坂任とパトリックのPK弾により、1-1で引き分けた。
浦和は明本考浩が前線に入り、トップ下に江坂任を配置。「内転筋に違和感があった」(リカルド・ロドリゲス監督)というキャスパー・ユンカーがメンバー外で、生粋のFWがベンチメンバーを含めて一人もいないという陣容で臨んだ。
その「功」と「罪」と言えるが、ホームチームはビルドアップではG大阪より数段に高い精度でボールを支配する。しかし明本、汰木……ことごとく決定的なシュートは枠を捉え切れない。
また35分と早い段階で、明本が負傷により(担架で運ばれた……)、小泉佳穂と交代を余儀なくされる。
それでもホームチームがボールを支配。後半には、完全に抜け出した汰木がGK東口順昭と1対1になるが……これも好セーブに阻まれる。
対するG大阪は浦和対策を立ててきているものの、思うようにチーム(グループ)として狙いを定めてボールを奪えない。後半開始からパトリックを投入、前線の基準点を明確にして反撃を試みるものの、細かなプレー面で精度を欠いた。
そして後半アディショナルタイムの90+1分、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を経て、ホームチームがハンドのファウルでついにPKを獲得。これを江坂が決めて、この日のチーム通算18本目のシュートで均衡を破る。
ところが――。その再開直後の90+4分、パワープレーを仕掛けたG大阪が、今度はPKを得る。これをパトリックが決めて、すぐさま同点とした。
結局、シュート数は浦和22本(PK含め枠内5本)、G大阪10本(同枠内3本)。パス本数は浦和608本、G大阪367本、成功率は浦和が86パーセント、G大阪75パーセント。ボール支配率は浦和から見て、63パーセント対37パーセント。
ホームチームが内容では上回ったものの、流れとセットプレーから決め切れず……3ポイントを逃した。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は試合後の記者会見で、「最後にスルッと勝点2がこぼれ落ちてしまったと言えます。チャンスは数多く作りましたが、残念ながら決め切ることができませんでした。チームの戦えていたところは良かったところで、この内容を継続していくことが大切だと思います」と語った。
両チームのメンバーは次の通り。
▽浦和レッズ
▼先発
GK
1 西川 周作
DF
2 酒井 宏樹
4 岩波 拓也
28 アレクサンダー・ショルツ
6 山中 亮輔
(71分 8 西 大伍)
MF
41 関根 貴大
(78分 11 田中 達也)
40 平野 佑一
29 柴戸 海
(71分 17 伊藤 敦樹)
24 汰木 康也
(78分 21 大久保 智明)
FW
33 江坂 任
15 明本 考浩
(35分 18 小泉 佳穂)
▼控え
GK
12 鈴木 彩艶
DF
5 槙野 智章
▼監督
リカルド・ロドリゲス
▽ガンバ大阪
▼先発
GK
1 東口 順昭
DF
4 藤春 廣輝
13 菅沼 駿哉
16 佐藤 瑶大
27 髙尾 瑠
(70分 26 柳澤 亘)
MF
10 倉田 秋
(62分 8 小野瀬 康介)
15 井手口 陽介
28 ウェリントン・シウバ
(70分 14 福田 湧矢)
29 山本 悠樹
(84分 17 奥野 耕平)
FW
33 白井 陽斗
(HT 18 パトリック)
39 宇佐美 貴史
▼控え
GK
31 加藤 大智
DF
19 キム・ヨングォン
▼監督
松波 正信
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[文:サカノワ編集グループ]