浦和の「声出し応援」実証実験を政府認めず、村井チェアマンが説明「枠組みの前提『応援緩和』ではなく『入場緩和』」
浦和レッズのサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「丁寧なコミュニケーションを求めていきたい」と、対戦相手への配慮にも言及。
Jリーグの第43回新型コロナウイルス対策連絡会が11月15日に行われ、その後オンラインによる記者会見を実施した。そこでJリーグの村井満チェアマンが、このほど浦和レッズから11月27日のホーム最終戦で「ワクチン・検査パッケージエリア」での「声出し応援」など応援スタイル緩和のトライアルをリーグを通じた申請したものの政府から認められなかった件について、メディアからの質問を受けて経緯などを語った。村井チェアマンによると、この「ワクチン・検査パッケージ」の枠組みの対象は、『応援緩和』ではなく、あくまでも『入場緩和』を前提にしたものであると説明があった。
この件は、浦和が11月27日に開催される2021シーズンのホーム最終戦となる埼玉スタジアムでの37節・清水エスパルス戦のチケット発売に際し、実証実験の一環として「北ゴール裏指定席」に「ワクチン・検査パッケージエリア」を採用。そのうえで、「人と接触する応援」「密を作る応援」「声を出す応援」といった応援スタイル緩和のトライアルを実施できるよう、Jリーグと政府を通じて要請していた。しかし、これが認められなかったと公式サイトを通じて報告していた。
村井チェアマンは次のように語った。
「今回の『ワクチン・検査パッケージ』(VT)は、応援スタイルの緩和を前提としているものではなく、入場数をどのように緩和していくか、という入場緩和が前提となる枠組みでした。
そういう枠組ですが、声出し応援の申請があり、特別にそのような話について、政府サイドが相談に乗ってくれました。結論としては、まず入場緩和の枠組みを進めていくという政府方針でしたので、声を出す応援は対象外とする判断となりました。そのプロセスの一部を浦和が社会にアナウンスしたのが、一連の背景だったと認識しています」
また、一部報道では最終戦の対戦相手である清水エスパルスから浦和に、公平性を求める意見書が出されたという。その点について、村井チェアマンは次のように語った。
「対戦相手と十分なコミュニケーションをしながら、擦り合わせをしていただくのが通常の配慮だろうと思いますので、そうしたコミュニケーションが一部欠いていたと解されるものかもしれません。一方、浦和にガイドライン違反があったわけではありませんので、今後こうした運営の状況に応じて変化するものであるとすれば、丁寧なコミュニケーションを求めていきたいと思います」
そして専門家チームの座長を務める賀来満夫氏(東北医科薬科大特任教授)は「声出し応援」がすでに海外で認められている状況を踏まえつつ、一方、日本では世論の動向を踏まえながら緩和されていく流れになるだろうと言及。来年4月頃の実現も難しいのではないかと意見を述べた。
【注目記事】
・【浦和】11/27清水戦の「声出し応援」認められず。「依然リスクがある」
・【オマーン戦】スタメン予想。守田不在の穴に原口起用が妥当、あるいは2ボランチ?日本代表カタールW杯アジア最終予選第6戦
・【Jリーグ市場価格ランキング TOP20】イニエスタ7位、クバ3位…「5億円」超え1位はあの浦和DF
[文:サカノワ編集グループ]