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学校の体育からサッカーが消えつつある。JFA、危機感を抱く

JFAハウス。(C)SAKANOWA

教職員への指導サポートなど、草の根の活動を推進。

 全国の体育の授業からサッカーが消えつつある!? 日本サッカー協会(JFA)は、学習指導要領の変更を経て、近年の体育での“サッカー離れ”に危機感を抱いている。そうしたなか、教職員の指導サポートを推進するなど、サッカーとの出会いとなり得る「ボールに触れる貴重な機会」の提供にも力を注いでいる。

 JFAは2030年まで「サッカーファミリー800万人」を目標に掲げる。そのサッカーの普及(グラスルーツ)のため、参加者の増加と維持により「生涯にわたり、サッカーとの出会いと関わりを提供」することを大切なテーマに掲げる。

 そうしたなか、2008・2009年度の学校指導要領の改訂から、それまで体育で「必修」だったサッカー(ラインサッカー、キックベースなど含む)は、「選択される種目の一つ」になった。

 小学校の「ボール運動」では、サッカーからタグラグビーに切り替える学校が増加。また中学校では、手でボールを扱えるバスケットボール、ハンドボールが選択されるように。現場の教職員から、体育授業でサッカーが選択されなくなってきている、という声を多く聞くようになり、JFAは危機感を抱いている。

 そうしたなか、JFAはサッカーの経験がなかったり、サッカーの授業に自信がないという教職員へのサポートを展開。2014年からは小学校体育の教科書を出版し、さらに教職員向けにサッカーの特性・魅力などを伝える講義・実技の講習会を行ってきた。

 そして2021年から、その活動を中学校にも広げている。

 JFAとしては、体育授業は様々なボールゲームに触れる機会であり、その中で、サッカーが「選択肢の一つ」に加わっていくことの大切さを実感している。やはりサッカーの原点である、「ルールがシンプルで、直感的にプレーできる」という“手軽さ=楽しさ”をよりアピールしていきたいという。

 中山雅雄JFA普及ダイレクターは「グラスルーツの取り組みのなか、学校体育はサッカーとの出会いの場、サッカーの仲間を増やしていくためにも、非常に大事な領域だと考えています」と説明。「強化と普及は表裏一体で、日本代表がW杯出場を続けることでサッカーへの関心を持ってもらってきていますが、一方で、脈々と続いてきた学校体育でのサッカーが今後改めて生きてくるとも感じています」と強調していた。

 競技に触れるきっかけの一つとして、体育から「サッカー」が消えてしまわないように。今後は具体的な「授業内容」へのサポート、元プロ選手の講師としての派遣など、現場の声を聞きながら、JFAとしても様々な取り組みをしていきたいという。

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[文:サカノワ編集グループ]

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