ブンデスリーガ日本人選手の平均採点ランキング。1位は…? 武藤4位、長谷部2位
フランクフルトの長谷部 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
日本代表8人を含む12人。ドイツ専門誌『kicker』の2017-18シーズンまとめ。2部1位は原口。
ドイツブンデスリーガ12選手のサッカー専門誌『kicker』の2017ー18シーズンのリーグ戦平均採点ランキングをまとめた。香川、長谷部、大迫、武藤、原口、宇佐美……ガーナ代表とのキリンチャレンジカップに挑む日本代表8人の活躍ぶりは? 試合数にばらつきがあり、降格したケルンやハンブルクのチーム事情や成績も数字に影響していると言える。今回試合数にこだわらず順位付けをしてみると、興味深い結果が出た。
▼ブンデスリーガ2017-18シーズン日本人選手平均採点
ドイツサッカー専門誌『kicker』誌
※採点は、1が最高点で、6が最低点の6段階。
採点が同じ場合は試合数が多い選手が上位。
■ブンデスリーガ・1部■
1位
香川真司/ドルトムント
19試合出場(採点対象15試合)
交代出場:7試合 途中交代:5試合
5得点・3アシスト
平均採点:3.27
2位
長谷部誠 MF/フランクフルト
24試合出場(採点対象24試合)
交代出場:1試合 途中交代:0試合
0得点・0アシスト
平均採点:3.40
3位
伊藤達哉 FW/ハンブルク
20試合出場(採点対象15試合)
交代出場:8試合 途中交代:9試合
0得点・4アシスト
平均採点:3.40
4位
武藤嘉紀 FW/マインツ
27試合出場(採点対象22試合)
交代出場:7試合 途中交代:9試合
8得点・4アシスト
平均採点:3.41
5位
浅野拓磨 FW/シュツットガルト
15試合出場(採点対象9試合)
交代出場:8試合 途中交代:4試合
1得点・0アシスト
平均採点:4.00
6位
酒井高徳 DF/ハンブルク
28試合出場(採点対象26試合)
交代出場:2試合 途中交代:3試合
0得点・0アシスト
平均採点:4.04
7位
大迫勇也 FW/ケルン
25試合出場(採点対象24試合)
交代出場:2試合 途中交代:11試合
4得点・2アシスト
平均採点:4.25
8位
鎌田大地 MF/フランクフルト
3試合出場(採点対象2試合)
交代出場:1試合 途中交代:2試合
0得点・0アシスト
平均採点:4.75
■ブンデスリーガ・2部■
1位
原口元気/デュッセルドルフ
2部=13試合出場(採点対象12試合)
交代出場:1試合 途中交代:7試合
1得点・5アシスト
平均採点:2.96
[※1部=ヘルタ・ベルリン]
7試合出場(採点対象3試合)
交代出場:5試合 途中交代:1試合
0得点・1アシスト
平均採点:4.17
2位
宇佐美貴史/デュッセルドルフ
28試合出場(採点対象17試合)
交代出場:11試合 途中交代:14試合
8得点・3アシスト
平均採点:3.26
関根貴大/インゴルシュタット
1試合出場(採点対象0試合)
交代出場:1試合 途中交代:0試合
0得点・0アシスト
平均採点:ー
宮市 亮/デュッセルドルフ
1試合出場(採点対象0試合)
交代出場:0試合 途中交代:1試合
0得点・0アシスト
平均採点:ー
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開幕から苦しんだ香川だが、シュテーガー監督の就任した16節以降にレギュラーの座を掴み、新体制初陣でゴールを決めるなどインパクトと結果を残した。16節から21節までの平均採点は2.83と「2」点台。しかし22節のハンブルク戦で負傷し、その後は欠場に……。最終34節でようやく復帰を果たしている。
2位の長谷部はリベロとボランチなど複数のポジションをこなし、来季バイエルンの指揮官に就任するニコ・コバチ監督の意図を選手に伝える”ピッチ上の指揮官”と言える役割も担った。好調時もあれば、不調な時もあった。そんなチーム状況がそのまま採点にも表れている感じだ。
また3位の伊藤は柏レイソルU-18から渡独し、ハンブルクセカンドチームを経て抜擢された20歳の新星。昨年12月にプロ契約を結び、計20試合に出場した。降格したチームの中ではその活躍ぶりが光ったが、やはり若手ということでの「期待値」もその採点に含まれていると見ていいか。
アタッカー陣の中でシーズン通して最もコンスタントに結果を残したのがマインツの武藤だ。8得点4アシストとまずまずの成績を残している。ただそれでは物足りないということが、この採点が物語っている。
同様に酒井高、大迫もチームの中心選手だっただけに、期待に応えきれなかったことが低めの採点につながった。ただ大迫に関しては、献身性が買われてボランチで起用されるなど、チーム事情によりアタッカーとしての仕事をできなかった点も影響していると言える(新シーズン、大迫はヴェルダー・ブレーメンへの移籍が決定)。
2部リーグでは、シーズン途中にヘルタ・ベルリンからドュッセルドルフに加入した原口が評価2点台を記録。宇佐美も原口加入に影響を受けて、シーズン終盤はレギュラーとして活躍した。
関根、鎌田の二人は語学など環境面で後手を踏み、指揮官の信頼を掴めなかった。いずれも高いポテンシャルを備えているだけに残念ではあった。ただドイツでは岡崎慎司(清水→シュツットガルト→マインツ→レスター)のように2年目以降に活躍したケースも少なくなく、来季のブレイクが期待される。
文:サカノワ編集グループ