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日本代表での起用も? 長谷部誠が語った「リベロ」のやりがい

フランクフルトでプレーする日本代表の長谷部誠 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

フランクフルトでは今年11試合で起用。ボランチは3試合。 

 ドイツブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトでプレーする日本代表MF長谷部誠が、自身3度目のワールドカップに挑む。そして西野朗監督が就任した新体制下、注目されるのがその起用法だ。

 日本代表では長年にわたり不動のボランチを務めてきた。ただフランクフルトでの主戦場はリベロ(センターバック)。今年に入り、リーグ戦では11試合がセンターバック(リベロ)、3試合がボランチ(守備的MF)だった。

 5月19日のDFBカップ(ドイツカップ)決勝のバイエルン・ミュンヘン戦は、4-3-3のアンカーを務めた。ただそこでも最終ラインをフォローする役割を担い、ジョシュア・キミッヒが放ったクロスを間一髪クリアするなど渾身の守備で3-1の勝利に貢献。リベロに近い役割をこなした。

 長谷部はリベロとボランチ、対戦相手によってポジションが代わることの「やりがい」について、次のように語っていたことがある。

「まずは守備の部分で失点しないというところをベースにやっている。チームで与えられているのはリベロであり、時に中盤に入ることもあります。その相手によって、自分たちのやり方の部分で、さまざまな戦術のなか、自分がプレーできていることにはやりがいを感じています」

 その役割をこなすなかでの自身のテーマについても、興味深いことを言っていた。

「(テーマは)落ち着かないこと。リベロっていうポジションで中盤より多くの出場機会を得ていますが、あそこのポジションは、目でプレーできたりとか、そういう部分はある。そこに落ち着かず、自分のプレーをより良くするために、自分がもっともっとボールに触って組み立てたり、そこをもっと上手くできるように追求していきたい」

 停滞は後退を意味する――。長谷部はリベロで「落ち着かず」強い探求心を持って取り組んでいった。その先に、クラブにとって30年ぶり、自身にとってはヴォルフスブルク時代の08-09シーズンのリーグ優勝以来となるDFBカップのビッグタイトルが待っていた。

 フランクフルトを率いたニコ・コバチ監督は来季、リーグ史上初の6連覇を果たした王者バイエルンの新指揮官に就任することが決まっている。長谷部がそのドイツ内でも高く評価される指揮官のもとで3年間に渡って得た多くの経験を、日本代表に還元してくれるはずだ。

 西野朗監督はどのように百戦錬磨の経験を持つ長谷部を生かそうとするのか。まずは30日のキリンチャレンジカップのガーナ代表戦(日産スタジアム)、34歳になった日本のキャプテンの起用法や活用法にも注目が集まる。

文:サカノワ編集グループ