【日本代表】21歳誕生日の久保建英「あまり友達に祝われなかった」。ブラジル戦へ「ワクワクしている」と同時に口にした現在地への“焦り”
パラグアイ戦に出場した日本代表の久保建英。写真：兼村竜介/(C)Ryusuke KANEMURA
「ビッグゲームで自分の出来に満足いかないプレーをしたことはない」
[キリンチャレンジ杯] 日本代表 – ブラジル代表／2022年６月６日19:20／国立競技場
サッカー日本代表（SAMURAI BLUE）の久保建英が６月４日に取材に応じて、この日21歳の誕生日を迎えての決意、そしてキリンチャレンジカップ2022のブラジル代表戦に向けて抱負を語った。
「世界ランク１位のチームが調子いいという印象を受けます。リーガだったら、レアル・マドリードやバルセロナと対戦するチームに近い気持ちがあります。彼らにとって、僕たちのようなチームが楽しみにして、気合を入れて戦ってくるのが日常。彼らにとっては慣れていると思います。僕にとって、これだけ格上と対戦できるのは初めてで、ワクワクしています」
一方、RCDマジョルカでの悪い流れが続いていると自身も感じている。先日のパラグアイ代表戦は途中出場したものの、アピールできたとは言えなかった。
「（今季について）上手く行けたなかでも、いろいろもったいなかったと思います。今年はケガに悩まされました。ケガのあとあまり上手くいかなかったので、そこが一つ悪い意味でのターニングポイントになってしまいました。一度もらったチャンスをフイにして、代表でもそこからのスタート。この前の試合は焦りが出て、自分本来のいいプレーを出せませんでした。這い上がるのは難しいですが、いちから割り切れました。もうそういった焦りはありません」
そしてこの日、10代から常に脚光を浴びてきた期待のレフティが21歳の誕生日を迎えた。
「そんなに友達にも祝われませんでした。あまり友達もいないので、何人かに言ってもらえればそれでいいです。今年はまずW杯を経験できるように。そしてそのあと、最後の半年間のシーズンを大事にしたいです」
また体が一回り、二回り大きくなった印象の久保だが、「少し肉体改造についても徐々に目に見えてきて、みんなからも言われるようになってきました。そこに自分のスタイルと折り合いをつけて上手く融合していきたいです」と、新シーズンへの抱負も口にした。
とはいえ久保自身はパラグアイ戦を経て、日本代表での“立ち位置”について、これまでにない現実を突き付けられたと言う。
「代表に帰ってきて、一旦フラットな状態になり、そこで自分の立ち位置が見え、それに対する焦りはありました。普段は試合に出ても出られなくても、どこかで冷静に出番を待っている自分がいました。この間の試合（パラグアイ戦）はいろいろ考えさせられることがあり、試合に上手く入れなかったかなと感じています。みんな上手いのは分かっていますし、立ち位置を教えられ、認めざるを得ません。ただ３か月もあれば変わることなので、ここから虎視眈々と狙っていきます」
また、ビッグゲームでこそ結果を残してきた――。久保はそのような自負と自信を口にした。
「ビッグゲームで自分の出来に満足いかないプレーをしたことがありません。格上の相手に消えていた、負けていたと思ったことはプロになってからないので、僕はやれると思っています。それこそチームが上手くいっていて僕の出番がないことも、上手くいっていなくて残り15分ぐらいで出される可能性もあります。いろいろな可能性を考えながら感覚を研ぎ澄ませておきたいです」
そして「ブラジル」に“名前負け”するようなことはないと力強く語る。
「（ラ・リーガで対戦するなど）相手（ブラジル）にどのような選手が出てくるのかはある程度分かります。南米は苦手ではなく、どちらかというと次に対戦するガーナのほうが苦手かなという意識もあります。僕はブラジルだからどうというのは、あまりありません。相手が強ければ強いほうが燃えるのではないでしょうか。負けている試合のほうがいいパフォーマンスを出せたりします。
以前から負けている時にいいプレーを出せてきた。そういったところが自分にはありました。それがいいのかどうかは分かりませんが、相手が強くてチームが劣勢の時のほうが、いいパフォーマンスを出せると思います」
レアル・マドリード時代にチームメイトとして戦ったロドリゴ、ヴィニシウスも今回、ブラジル代表のメンバーに入っている。６日、国立競技場でのセレソンとの対決。久保の逆襲がここから始まる。
[取材・文：塚越始]
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