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【日本代表】キャプテン谷口彰悟「HT交代」が意味する森保監督の大きな期待。カタールW杯に“選ばれる”だけでなく│東アジアE-1選手権、香港戦

谷口彰悟。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

吉田麻也に“もしも”の時には――。

[東アジアE-1選手権] 日本 6–0 香港/2022年7月19日19:20/カシマサッカースタジアム

 東アジアE-1選手権、サッカー日本代表はカシマで香港代表に6-0の勝利を収めた。このあと豊田スタジアムに舞台を移し、24日に中国代表、27日に韓国代表と対戦する。

 香港戦はある意味、カタール・ワールドカップ(W杯)後をも見据えた一戦と言えた。今大会はインターナショナルマッチデーではないため、国内組のみの招集に。位置づけも難しい大会で、FIFAランキングでは日本24位、香港145位と大きな差がある。

 加えて合流から3日目で初戦を迎え、6人招集されたサンフレッチェ広島組はリーグ戦から中1日とあって試合出場が難しいという“ぶっつけ本番”に。そうした条件下で高いモチベーションで臨めるメンバーは誰か? 

 森保一監督は5人を国際Aマッチデビューさせ、さらに初招集の岩崎悠人、大南拓磨をも途中から起用。J1リーグ首位に立つ横浜F・マリノス組の連係の高さに町野修斗の負けん気も相乗効果を生み、シュート数22本対4本、被枠内シュート0本で勝利を収めた。

 もちろん選手たちは登録人数が23人から26人に増えたカタールW杯のメンバーへの“滑り込み”も狙っている。森保監督は香港戦後の記者会見で、この試合だけで判断するのは難しいが、トータルで見て今後のメンバー入りもあり得ると示唆していた。

 そうしたなか、キャプテンに指名された谷口彰悟は前半のみで交代している。

 おそらく指揮官はこの3試合、谷口を全試合で先発させることを考えているのではないか、と予想される。そこにJ1リーグ2連覇中である川崎フロンターレを支えてきた男への大きな期待も感じられるのだ。

 先の6月シリーズでは、日本の不動のキャプテンである吉田麻也(シャルケ04)がハーフタイムでの交代を交えて、全4試合に出場している。

6/2 パラグアイ代表(〇4-1)ハーフタイム交代
6/6 ブラジル代表(●0-1)フル出場
6/10 ガーナ代表(〇4-1)ハーフタイム交代
6/14 チュニジア代表(●0-3)フル出場

 吉田が日本の守備の「軸」であるのは揺るがない。昨年の東京オリンピックでもオーバーエイジで招集されるなど、森保監督の信頼は厚い。

 とはいえ、6月シリーズ最終のチュニジア戦では全失点に絡んでしまった。とりわけ疲れもあったとはいえ、試合終盤のボールを繰り返し奪い切れなかったパフォーマンスは、今後に一抹の不安を残した。

 新シーズンはセリエAのUCサンプドリアとの契約満了に伴い、ブンデスリーガ1部復帰を果たしたシャルケ04にフリートランスファーで加入した。33歳にして5大リーグでの挑戦権を得た。高さと強さ、経験値、戦術眼、そしてリーダーシップ――名門クラブからそうした点で高い評価を得たのは、さすがである。

 一方、今年に入り、サンプドリアではコンスタントに試合に出場できていなかった。ケガによる離脱も経験している。そのように、カタールW杯まで残り約4か月、少なからず不安要素も抱えている。

 6月シリーズで勝利したパラグアイ、ガーナ戦で吉田と組み、フル出場したのが谷口だった。日本代表でも着実に結果を残してきたそのセンターバックの力が、カタールW杯で必要とされるかもしれない。W杯に出場できるかどうか、という次元ではない。

 センターバックの序列的には冨安健洋に続き、板倉滉と競る位置にいて、W杯本番で、日本の最後尾を任される可能性もある。そのテストをこの大会で行っている。むしろ日本の大きな力になり得る、という森保監督のリスクマネジメントとも言える。

 中国そして韓国戦を無失点で勝利に導き優勝する。その結果を残すことで、9月の欧州開催予定のインターナショナルマッチウィークに招集されるチャンスにつながるかもしれない。初招集組や若い選手を刺激しつつ、その結果へのこだわりが、谷口をはじめ今大会に臨んでいる多くの選手たちの意欲を駆り立てている。

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