【日本代表】香川&乾に加え、昌子&植田が起こしたユニットによる「化学反応」
日本代表の昌子源(左)と植田直通(右) (C)SAKANOWA
セットで抜擢も? 攻と守で西野監督の求める相乗効果を見せる。
パラグアイ戦での日本代表は、乾貴士と香川真司の元セレッソ大阪コンビの活躍が光り、4ゴールを奪取。一方、守備陣に目を向けると、昌子源と植田直通の鹿島アントラーズコンビもまた阿吽の呼吸でパラグアイ攻撃陣を封じ、揃って存在感を示した。
日本代表の西野朗監督は就任記者会見で、ワールドカップ本大会まで残された短期間でのチーム作りで求めるものとして、「ユニットやグループによる相乗効果や化学反応」を挙げていた。今回のパラグアイ戦、それを狙っていたのか、偶然なのかは分からないが、攻撃と守備でふたつのユニットが間違いなくチームに大きな効果をもたらした。
長年に渡り日本代表のDFリーダーとして君臨してきたのが吉田麻也だ。身長189センチとチーム随一の高さを備えており、コーナーキックなどセットプレー時を考えるとスタメンから外しにくい。ワールドカップ本番のCBは、順当にいけば、吉田&槙野、吉田&昌子といったチョイスが妥当だ。しかし今回、植田&昌子は高さを補うだけでなく、連動性や周囲へのフォローなどでも合格点を与えられるパフォーマンスを見せた。
相手CFのサンタンデールに対し、二人の共同作業で潰しにいくなど、絶妙な対応も見せた。それにより、ボランチに入った元鹿島の柴崎岳も落ち着いたプレーを見せていたのはプラス材料に挙げられる。
重要なワールドカップ初戦のコロンビアとの一戦、先発するのは誰か。
もちろん、どの人選が正しいのか、答えなどない。ただ、最終ラインに関しても、世代交代を告げるときなのか――というパフォーマンスを、25歳の昌子と23歳の植田、鹿島CBコンビは示した。日本の守備の軸をどうするのか。やや大袈裟かもしれないが、日本のサッカー界の将来をも左右する選択を、西野監督は迫られているのかもしれない。
文:サカノワ編集グループ