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興梠慎三のPK獲得“未遂”、「イニシエイト」がポイントに。「不用意極まりない」解説陣は上島拓己の“ファウル”が妥当と見解│J1 柏×札幌

興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

DAZNの「Jリーグジャッジリプレイ」で議論。

 7月16日に行われたJ1リーグ22節の柏レイソル – 北海道コンサドーレ戦(1-0で柏が勝利)の前半アディショナルタイム、札幌の興梠慎三が相手ゴール前で左からの折り返しを受けようとした際、後方から来た上島拓己のタックルを受ける形で倒された。しかし主審はノーファウルと判定、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)と交信はしたもののOFR(オン・フィールド・レビュー)は実施されなかった。

 このシーンがDAZNの人気コンテンツ『Jリーグジャッジリプレイ』で取り上げられ、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏と元国際審判員の家本正明氏が詳しく解説をした。

 ペナルティエリアに駆け込んだ高嶺朋樹の左からのヘッドでの折り返しに対し、興梠が上島より前へ出て、ポジショニングで上回る。

 そこで札幌の23番は後方から来る相手をブロック。すると上島は倒れ込んでスライディングするような形に。そこで接触が起こり、興梠は転倒した。中継したDAZNの解説者・福田正博氏も「PKですね」と言ったが、主審は笛を吹かず。そのまま“ノーファウル”と判断され、プレーは続行された。

 興梠や札幌の選手は主審に激しく抗議したものの判定は覆らず。主審はゼスチャーで、上島がボールを蹴ろうとしたところに、興梠が故意に入り込んだ――というような説明をしていることが分かる。

 確かに上島は倒れ込みながら、ギリギリで足を出すのを回避しているように見える。ただ、結果的に興梠と接触している。

 深野氏は「なぜ、レフェリーがこのような判断をしたのか、というところから考えています」と前置きしたうえで、次のように説明した。

「後ろからのあのタックルは不用意で、100パーセントではないけれども、PKではないかと。ノーファウルも分からなくもないです。なぜならば、興梠選手はいつも前へ出ようとするプレーをいつもするので、そこで進路を妨害しているかのかと(※主審は興梠がファウルを“もらいに行っている”と見た)。とはいえ、やはりあのタックルは不用意かなと思います」

 一方、家本氏はキッパリと、ファウルでPKを与えるべきだったのではないかと自身の解釈を述べた。

「まずファウルかどうか。興梠選手が上島選手の前に出て、ボールを保持(マイボールに)しようとしています。上島選手の邪魔はしていません。(興梠の上島に対する)ブロックという点では、上島選手は相手選手と前後関係になっているところで(後ろから)タックルに行くのは、不用意極まりない判断で、リスクがたくさんある形になります。そういうところから行くと、興梠選手のイニシエイトしたとされる体の動きは、上島選手に特に悪影響を与えていません。前後関係でタックルに行くのは非常にリスキーがあると言えます」

『イニシエイト』とは、「(アタッカーの)選手が自ら接触を起こし、ファウルを誘発させるような行為。接触が起きる原因を意図的に作る行為」。シミュレーションもこれに含まれる。

 ここでは、興梠が“故意”にファウルを誘発させたかどうかがポイントに。ただ、ポジショニングの駆け引き、そこへの高嶺のコントロールされた落とし――。局面的に興梠が完全に上島を“上回った”ところで、後方から接触。そのため、柏のファウルで、札幌にPKが与えられるのが妥当だったのではないかと、両解説者は見解を示していた。

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