【G大阪】小野社長と和田氏が記者会見「目標はJ1残留。より組織的に戦う」、監督交代ありきの松田浩氏招へいは否定
ガンバ大阪での初練習で選手に話をする松田浩監督。(C)GAMBA OSAKA/ガンバ大阪提供
「できることなら片野坂氏と最後まで心中したかったのが本音ではありました」
片野坂知宏前監督との契約解除と松田浩コーチの監督就任を発表したガンバ大阪の小野忠史社長、和田昌裕取締役強化アカデミー担当兼普及部長が8月17日、オンラインによる記者会見を行い、監督交代の経緯や理由を説明した。
G大阪は現在J1リーグ5勝7分12敗の勝点22でJ2降格ゾーンの17位に低迷。最下位ジュビロ磐田と勝点22で並んでいる。残り10試合のタイミングで、8月9日にコーチに招へいしたばかりの松田浩氏に監督のバトンを託す決断を下した。
まず小野社長が監督交代の経緯を説明した。
新型コロナウイルス感染症による活動停止、主力の相次ぐ負傷離脱などが影響し、「思うようなチーム作りができませんでした」。また補強による戦力アップに努めたものの成績は上向かず。リーグ残り10試合のタイミングで、「現実的に、目標はJ1残留になったため、このタイミングで松田新監督に交代する決断をしました」ということだ。
17日から松田体制でのトレーニングがスタート。ビデオを活用して課題などを指摘するなど、さっそく2時間ほどのミーティングが実施されたという。「クラブ一丸となって戦い、必ずJ1残留を果たすと、選手とともに決意したところです」と、小野社長は語った。
和田氏はこのラスと10試合に迫ったタイミングでの監督交代について、次のように説明した。
「監督と選手の関係は非常に良かったです。勝ち星は少なかったものの、選手は必死に取り組み、雰囲気も非常によく活気のあるトレーニングができていました。結果はついてきていなかったですが、雰囲気はとても良かったです」
そして直近リーグ6試合勝ち星なし。この3試合で最低6~7ポイントはほしかったが、勝点1しか獲得できず。「J1残留」のミッション達成のため、ここで決断を下したということだ。
小野社長も昨シーズンまでのチームからの変化を感じ、「できることなら片野坂氏と最後まで心中したかったのが本音ではありました」と語った。
とはいえ松田監督のスタイルは、守備を重視した、ある意味、ポゼッションを主眼とした片野坂スタイルと対極にあるサッカー。そのあたりについて、和田氏は次のように説明した。
「目標は残留と、ハッキリしたものがあります。より組織的に、チームとして戦っていく。一人ひとりの役割をもっと明確にし、攻撃の自由さは松田さんも大事にしています。より組織的な戦いで勝点を確実に上乗せしていく。それが残留への一番の近道。松田さんは、一人ひとりが必死になることを強調しています。組織立ったサッカーで、一体感を取り戻し、なおかつ勝点を積み上げていきます」
8月9日にコーチとして招へいし、すぐ監督就任。監督交代ありきの松田氏招へいだったのか――。その問いに、和田氏は否定した。
「(片野坂体制は大分トリニータ時代からのコーチ陣と戦い続け)違った目で見てもらうことで、特に守備面で松田さんのエッセンスを加えることでプラスになればということで、そういう思いで松田さんにお願いをして、片野坂さんにも理解してもらいました。こうしたこと(監督交代)ありきで呼んだわけではありませんでした」
あくまでもサポートしてほしいということで、当初は承諾を得ていたと強調。また、まずは今シーズン終了まで限定での契約になるということだ。
松田新体制のG大阪は8月20日、アウェーでのサンフレッチェ広島戦で初陣を迎える。
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