【日本代表】追加招集の町野修斗がW杯へ「忍者も代表して、忍法を使いたい」。湘南からは98年フランス大会の中田英寿や呂比須ワグナーら以来!
湘南の町野修斗。写真:佐藤亮太/(C)Ryota SATO
有言実行した東アジアE-1選手権に続き、「3得点」を目標に掲げる。
カタール・ワールドカップ(W杯)に臨むサッカー日本代表に追加招集されたJ1リーグ湘南ベルマーレのFW町野修斗が11月9日、平塚市内のホテルで記者会見を行い、「夢のワールドカップに行けることを誇りに思っています。日本を代表して行くので、思い切ってプレーしたいです」と決意を示した。
2022シーズンのJ1リーグ日本人最多13ゴールを決めたストライカーの喜びの声を届けようと、報道陣78人、テレビカメラ13台が会場に集まった。
町野が吉報を受けたのは7日夕方、自宅でくつろいでいると湘南の坂本紘司スポーツダイレクターから電話が入った。
「驚きが大きかったですが、夢が叶った瞬間でした」
湘南からのW杯のメンバー選出は、98年フランス大会の中田英寿、呂比須ワグナー、小島伸幸以来で(当時・ベルマーレ平塚)、「光栄なこと。湘南を代表して行ってきます。湘南のおかげでここまで来ることができました。いつも通り、湘南でやってきたことを全力で出すだけです」と胸を張って誓った。
4年前、19歳の町野はこのカタール大会を目標に定めた。とはいえ現実味はほとんどなかった。
三重県伊賀市出身の町野は前回ロシア大会が行われた2018年、大阪・履正社高校から横浜F・マリノスへ加入した。しかし出場機会を得られず。翌19年、チャンスを求めてJ3のギラヴァンツ北九州に期限付き移籍した。
「苦しくて悔しい思いでいっぱいだった」と振り返る町野だが、そこから持ち前の反骨心が実を結んでいった。
北九州での2シーズンで62試合・15ゴールと活躍。そして昨シーズン、湘南に完全移籍する。すると今季、日本人最多となるJ1リーグ13ゴール、得点ランキング2位に食い込んだ。出場したラスト3試合で4ゴールと勢いに乗り、チームも残留へと導いた。
4年前の自分に話しかけるならどんな言葉をかけるのか? との難しい質問には、町野は「4年後、ヤバいことになっているぞ」と答えて場内を沸かせた。
「(2018シーズンのあと、北九州移籍が決まった際)もう一度、J1の舞台で戦いたいという思いが強かった。(大切にしてきたのは)チームのために戦って、走ってというのが一番。その4年間の積み重ねです」
また町野といえば、ゴールパフォーマンスである忍者ポーズが話題を集めてきた。
キッカケは昨年末、地元に帰省した際の伊賀城での手裏剣体験だった。本人曰く純粋に楽しそうなので忍者ポーズをしたのが始まりだったという。
湘南のホームタウン内にある小田原市には風魔忍者がいるが、カタールW杯へ「忍者を代表して行くつもり。忍者が好きなので忍法を使っていきたい」と、さっそく“世界”を意識したコメントもしていた。
「忍」の一字には『何事を成し遂げるにも、忍耐することが一番大切だということ』という意味が込められている。
町野はまさにこの言葉で、チャンスを一つひとつ掴み取ってきた。
「僕の象徴である忍者ポーズを世界で見せられるようにしたいです」
W杯での自身の目標は、東アジアE-1選手権でも有言実行した「3得点」――。世界の大舞台でも、期待したい。
[取材・文:佐藤亮太]
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