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【浦和】プロセスと結果。岩尾憲が挑んだ新境地「その挑戦に負けたのは僕自身」

浦和の岩尾憲。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「プロセス→結果」を追求してきた司令塔が、「結果→プロセス」と向き合った1年間。

 浦和レッズの岩尾憲は11月5日のJ1リーグ最終34節のアビスパ福岡戦(△1-1)のあと、この1年の挑戦を振り返るとともに、リーグ9位の結果に終わった現実を受け止めた。

 リカルド・ロドリゲス監督が来日した2017年から徳島ヴォルティスでともに戦い、J1昇格も成し遂げた。そして今季“リカルドのブレイン”として、徳島から期限付き移籍してきた。

 2シーズンぶりとなるスペイン人指揮官のもと、34歳のミッドフィルダーはアンカーやボランチとして、チームのバランスを保つ役割を担い、リーグ29試合・1得点・6アシストを記録した。

 ただ、スタイルを洗練させながらチームと個の進化に注力した徳島時代とは異なった。「リーグ優勝」という目標設定からの戦い。岩尾自身もプロフェッショナルとして、その挑戦を受け止めて、レッズのユニフォームを着る決断を下した。

「結果は出したかったです」

 岩尾は「タイトルを獲りたかったです。獲って証明しなければいけなかった」と唇を噛んだ。

 戦術眼に長ける司令塔はこれまで徳島時代でも、練習やピッチ外を含め、あらゆる経緯が重要であり、そこでの発展や進化がピッチに現れるというスタンスを貫いてきた。そこを浦和では、「結果」にこだわる――これまでになかった姿勢で挑んだ。

「優先順位として、プロセスが先に来て、結果があとでついてくる、という考え方を僕自身は持っています。そうではなくて、結果(タイトル)を先に獲り、あとからプロセスを証明するということも、持論とは別に挑戦しなければいけないことだと受け止めていました。その挑戦に負けたのは僕自身でした」

 岩尾の理想、クラブの理想――そこで新境地に挑んだ。ただクラブが掲げたリーグ優勝という目標が、結果的に選手を苦しめた一面もあったのかもしれない。

 本来の「3年計画」も機軸となるスタイルを構築し、そのうえで上位に加わっていくというスパンだったはずだが、「3年目にリーグ優勝する」という所に重きが置かれてしまった。もちろん、優勝を本気で狙う、というスタンスが決して“間違い”だったわけではなく、だからこそ見えたものも確実にある。ただ岩尾の言葉からは、一つひとつ積み上げる作業の重要さ、それを蹴散らそうとしてきた者にも簡単に屈しない根幹を築いていくという、プロセスの重要さも伝わる。

「リカルド監督の力に少しはなりたかったというのは、正直なところありました。ただ、手を抜いて過ごしてきたのか、何にも向き合わず過ごしてきたのか、と言われれば、そのつもりは全くありません。自分に与えられた立ち位置、結果と向き合い、どうすればチームが勝てるのか、チームの最大を引き出せるのか。日々悩み、考え抜いたうえでのこの結果でした。だからOKではないですが、その自分の力のなさを含め、もう少し力になってあげたかったという思いはありました」

 来季は浦和への完全移籍が噂されている。岩尾がこの2022シーズンを受けて、どのように浦和での戦いと向き合うのか――。

 まずはリカルド体制最後の試合となる、16日のアイントラハト・フランクフルトとのフレンドリーマッチ。少しプレッシャーから解放されたなか、鎌田大地やマリオ・ゲッツェらは不在になるものの、UEFA欧州チャンピオンズリーグのベスト16入りを果たしヨーロッパの強豪に加わったチームとの一戦を堪能してもらいたい。

[取材・文:塚越始]

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Posted by 塚越始

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