【スペイン戦 布陣考察】進化する久保建英は今FWでこそ生きる。ソシエダ式4-4-2が日本代表にもハマるはず!
W杯スペイン戦、日本代表の“こんな布陣を見てみたい。(C)SAKANOWA
上田綺世の得点量産も2トップで起きている。
[カタールW杯 E組 第3戦] 日本代表 – スペイン代表 /2022年12月1日22:00(日本時間2日4:00)/ハリーファ国際スタジアム
カタール・ワールドカップ(W杯)グループEの第3戦、日本代表は12月1日(日本時間2日午前4時から)スペイン代表と対戦する。FIFAランキングはスペイン7位、日本24位。スペインは「引き分け」以上で決勝トーナメントにコマを進める。一方、日本は「勝利」で文句なし、「敗戦」では敗退決定。「引き分け」だと、ドイツ代表対コスタリカ代表戦の結果による。
スペイン戦でキーマンになるのが、スぺイン1部レアル・ソシエダで活躍する日本代表最年少21歳の久保建英だ。今季レアル・マドリードから完全移籍し、UEFAヨーロッパリーグ(EL)でマンチェスター・ユナイテッドを撃破するなど、公式戦17試合・2得点・4アシストを記録している。
今大会のドイツ代表戦(〇2-1)では4-2-3-1の左MFで先発したが、なかなか周囲と連動できず。3-4-3への布陣変更のため、ハーフタイムに冨安健洋との交代を告げられた。コスタリカ戦(●0-1)では出場機会を得られなかった。
一方、日本代表では最近、左MFで起用されているが、選択肢が制限される窮屈なプレーを強いられて、なかなか持ち味を出し切れずにいる。
久保という日本の武器を最大限に生かすのであれば、レアル・ソシエダで起用されている2トップでのFW起用も選択肢に入れてもいいのではないだろうか。日本代表でもハマるはずだ。
久保はこれまで、FC東京やRCDマジョルカでは右MFを主戦場にして結果を残してきた。本人はトップ下を希望しているが、ボールロストから逆襲の起点になってしまうリスクもあり、今の段階では、日本代表でもスペインでもなかなかハマらずにいた。
そうしたなか、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は、セカンドストライカー的に2トップの左FW起用に久保を据えた。すると、これが見事にハマった。
トップ下タイプで被ると見られた元スペイン代表ダビド・シルバとの共存というテーマも解決。さらに久保は2トップのパートナーがケガなどで次々に変わっても、そのタレントとともに長所を引き出し合う関係性を築き、チーム全体の相乗効果をもたらしてきた。
いずれはトップ下でも、左MFでもプレーできるようになるのが理想に違いない。ただ進化を遂げてきた現在の久保はFWに入ると、ハイレベルの相手でも生きる――。それを所属クラブで実証してきた。
一方、森保一監督は日本代表でそのような起用を一度も試していない(年代別の日本代表ではFW起用もあり、得点にも絡んでいる)。
ただドイツ戦では、比較的自由に久保が中央より、さらに右サイドでプレーする時間もあった。迎える21歳のレフティにとっても特別なスペイン戦。守備負担を極力軽減し、攻撃に専念させる――。久保のFW起用は検討してもいいのではないだろうか。
しかもトップ下の鎌田大地とスペースをそれぞれ活用してゴールを狙える共存も可能に。また、日本代表ではまだ無得点の上田綺世だが、鹿島アントラーズとセルクル・ブルージュでは2トップで得点を量産してきた。左MFに三笘薫が入る攻撃的な布陣も実現する。4-2-3-1は守備時に4-4-2になるので、基本的な狙いやコンセプトは変えずに済む。
ドイツ戦では成功したもののコスタリカ戦でハマらなかった3-4-3(5-2-2-1)は、相手の特徴を消すことに重きを置いた布陣だ。日本がいかにゴールを狙うのか、そのためにどのように久保の左足(右足も上手い)を生かすのか。スペイン戦、森保監督には個々の力を最大限に引き出す戦いと采配を期待したい!
【注目記事】
・【日本代表 採点・寸評】致命的ミスの吉田など4人に最低評価「1」。高評価は三笘一人、及第点3人。コスタリカの堅守を前に決定機作れず