『NEXT鎌田大地』東山の10番、C大阪入りMF阪田澪哉、初の国立でも動じなかった理由とは?
自身の誇りは「107人のチームメイトがいること」。
[全国高校サッカー選手権 準決勝] 東山 1(4PK2)1 大津/2023年1月7日14:27/国立競技場
初めて国立競技場のピッチに立った東山高校のイレブンからは、緊張や堅さが微塵も感じられなかった。序盤から思い切りの良さ、迷いのなさが伝わってきた。
大先輩であるカタール・ワールドカップ(W杯)日本代表の鎌田大地もプレーした東山の「10番」MF阪田澪哉は、卒業後、セレッソ大阪への加入が内定している。アタッカーは2万人を超える観客の多さにはじめは驚いたそうだ。それでも「国立の舞台でいつもの自分たちを出すことがテーマでした。日頃やってきたことを恥じないようにプレーに集中しました」と、先制されたものの落ち着いたゲーム運びから追い付き、PK戦の末に決勝の切符を掴んだ。
それができたのはなぜか? 阪田らが入学した3年前、選手たち自身で「日本一」という目標を掲げて、そこに向けて具体的に取り組んできたからだ。
その一つとして、どんな状況でも、環境でも、雰囲気でも、変わらずに戦える平常心を心がけてきた。
東山の福重良一監督は「日々の練習、トレーニングマッチから刷り込んできました。たとえ会場が埼スタであれ、どこであれ、この試合にかける気持ちは変わらなかったから、前半、良い立ち上がりができました」と頷く。
そして阪田は「全力で試合をするイメージが常にあります。だから、この舞台でも堂々とプレーできました」と語った。PK戦でも、2番手のキッカーとなって冷静に決められたのは、3年間全員で培っきた平常心が生きたからだ。
そして自身の誇りを問われた阪田は、「107人のチームメイトがいること」と胸を張った。
目標達成まであと1勝。
「優勝します」阪田はニヤリと笑った。