【詳報】新欧州スーパーリーグ構想が浮上。60~80クラブ参加、最低14試合
スーパーリーグの公式サイトより。※2021年5月「スーパーリーグ」のキャプチャ画像
欧州50クラブと協議してまとめる。
一度頓挫した欧州スーパーリーグ構想が、新たなフォーマットとなって再浮上した。
ドイツメディア『ヴェルト』が2月9日にレポートを発表。『スカイ』『テレグラフ』などイギリスメディアが詳しく報じている。記事によると、マドリッドに本社を置く「A22」が、欧州50クラブと協議し、新たな構想をまとめたという。
大会には、60から80クラブが参加。複数カテゴリーで開催され、1クラブ最低14試合を戦う。「固定メンバー」は置かないという。
A22の最高責任者であるドイツ人のベルント・リチャルト氏は『ヴェルト』で「いま変化の時です。サッカー界で起業的リスクを負っているのはクラブです。しかし財政的な基盤が崩れるような危機的な状況を、傍観せざるを得なくなっています」とコメント。UEFA(欧州サッカー連盟)とFIFA(国際サッカー連盟)に権力が集中している現状を指摘している。
2年前に発表されたスーパーリーグ構想では、欧州の強豪12クラブが戦うリーグを発足させると突如発表。しかし多くのファンから反発に合い、次々と参加離脱を表明していった。最後はレアル・マドリード、FCバルセロナ、ユベントスFCの3クラブのみが残っただけで、計画は頓挫した。
UEFAとFIFAはスーパーリーグ構想を企てた首謀者に制裁を科すとしている。再び声を上げたことについて、リチャルト氏は、現システムに反対を唱えられない状況は公正とは言えず、新たな大会を平行して構想する権利は平等にあるべきだと主張している。
サッカー界では、莫大な放映権料を得るイングランド・プレミアリーグに資本が集中する“1強時代”が続き、その競争に何とか食いつこうとするヨーロッパの多くのクラブが、コロナ禍の影響もあり、財政的に喘ぐ危機的状況に瀕しているという。年内にも下される前回スーパーリーグ構想へのEUの法判断、そして欧州各国のクラブがこの構想に追随するのかどうかが今後の鍵になりそうだ。