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【浦和】PKキッカー舞台裏。興梠「監督に怒られた」、ショルツ「シンゾーが来たら断れませんよ」

浦和の興梠慎三。写真提供:Jリーグ

埼スタ、しかも札幌戦…もう一度蹴りたい。「PKは一瞬、時が止まる。あの全員の注目が集まる中で蹴る状況はとても気持ちがいい」

[J1 8節] 浦和 4–1 札幌/2023年4月15日15:00/埼玉スタジアム

 J1リーグ8節、浦和レッズがアレクサンダー・ショルツ、興梠慎三、マリウス・ホイブラーテン、そしてオウンゴールで、北海道コンサドーレ札幌に4-1の勝利を収めた。これで浦和はリーグ戦、最近5勝1分け、6試合負けなしに。

 1-0で迎えた83分、興梠が放ったシュートが相手のハンドのファウルを誘いPKに。自身で得たこのキックを興梠が自ら決めて、リードを2点に広げた。

 しかし、PKのキッカーはショルツだと決まっていたそうだ。そのため興梠は「試合後、(マチェイ・スコルジャ)監督に怒られました」と明かした。昨季所属した札幌戦ということで、本人もモチベーションが高かったという。そして埼玉スタジアムでの久々の試合でもあった。

「もう蹴ることはないと思っていましたが、札幌が相手だったからかもしれません。PKは一瞬、時が止まる。あのスタジアムにいる全員の注目が集まる中で蹴る状況はとても気持ちがいい。しかもホームの埼スタ。ここで決めたい、もう一度あの瞬間を味わいたいという気持ちが沸きました」

 チームが勝てば、誰が決めてもいいし、そこに貢献したい。興梠はそのように自身のスタンスを強調してきた。とはいえ、元来のストライカーでもある。その血が騒いだ……埼スタとレッズサポーターがそうさせたと言えた。

「決める自信はありました。蹴りたくなりました。譲ってくれたショルツに感謝したいです。ショルツも蹴りたそうな顔はしていましたが……。慎三が言うなら、って。とはいえチームの決まり事なので、そこは守らないといけないです。でも決められて良かったです」

 そのように興梠は、今季2点目の背景を語った。

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 一方、PKを譲ったショルツは「シンゾーが来たら断れませんよ」と笑った。

「今日のシンゾーはこれは絶対に決めてくれるな、という信頼を感じました。もちろん1試合2ゴールを決めるチャンスはなかなかないですからね。でもシンゾーですから、決めてくれて良かったです」

 ショルツも興梠だからこそ、任せられたと語っていた。

 興梠がストライカーとしての矜持を蘇らせた――。様々な思いの込められた、そして勝利をもたらす一撃となった。

Posted by 塚越始

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