×

秋田-町田、幻のロングシュート。どうすれば「誤審」は防げたか?JFA審判部が見解を示す

(C)SAKANOWA

トップスピードで走って判定する副審の対応の難しさについても説明。

 J2リーグ8節、ブラウブリッツ秋田のFW青木翔大の放ったロングシュートが、ゴールラインを超えたものの審判が把握できず「ノーゴール」に判定された。この「誤審」のシーンについて、4月26日、日本サッカー協会(JFA)の審判委員会による審判ブリーフィングで取り上げられ、東城穣Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーが今後の対策などを語った。

 この試合の7分、秋田は自陣でボール奪取に成功。そのパスを受けた青木がハーフウェーライン手前から豪快にロングシュートを放った。これが枠を捉えて、ジャンプしたGKポープ・ウィリアムが掻き出したが、ボールはゴールラインを超えた。しかし主審、副審、4審とゴールを確認できなかったため、「ノーゴール」と判定され、試合は続行された。

 VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が採用されていないなか、どうすればゴールと正しく判定する確率を上げられるか? 

 JFA審判部は「映像から見ると、得点だったと認めなければいけない」事象だったと認定。そのうえで、副審の対応の難しさについても説明があった。

 こうしたシーンで副審は全速力で、ゴールラインに近づこうとしている。そうすると――。

・トップスピードでゴールラインへ向かう
→動体視力が低下して視野も狭くなる
→見たいものが見えにくくなる

 そのような状況が起きていると説明があった。

 とはいえ今回明らかな誤った判定が起きてしまった。

 審判部は「チームにとって大事な1点を失ったことに大きな責任を感じています」と受け止め、例えば、ゴールキーパーの体が完全にゴールラインを超えていて、その先にボールがあるという“事実”を把握できれば、ゴールと認定できたのではないか。第4の審判が確認することもできたのではないか。そういった視点から、ゴールだと判定できる可能性を高められたという見解が示された。

関連記事>>【Jリーグ】J2・J3で「VARライト」導入検討へ。従来よりカメラ数限定、タブレットなどでOFR対応

 一方、メディアからは、これはFIFA(国際サッカー連盟)やIFAB(国際サッカー評議会)の管轄になり世界のサッカー界に言えることだが、VARの導入された試合では肩やつま先が出たオフサイドの数センチを判定している一方、こうしたボールが明らかにラインを超えているケースが認められないという矛盾を指摘する声もあった。

Ads

Ads