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メッシのバルサ復帰「不可能」、元役員が“財政難の裏側”を明かす

リオネル・メッシ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

不正支給していた『ネグレイラ事件』とともに、「もう一つの煙幕」。

 アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(Lionel Messi)は今季2022-23シーズンで、フランス1部パリ・サンジェルマンとの契約満了を迎える。1年間の延長オプションがありメッシ自身はあと1シーズンプレーすることに前向きだと言われる。

 一方、古巣であるFCバルセロナへの復帰の噂が常に出ている。バルサがファイナンシャルフェアプレー(FFP)など経営面の問題を改善できれば、道が切り開かれるというのだ。

 そうしたなかラ・リーガのハビエル・テバス会長は先日「バルサがメッシを選手登録するには、多くの財政措置を講じなければならない。その実現には多くの努力が必要だ。私は現時点では、彼との契約が実現可能だと思っていない。しかし、まだ時間はある。バルサがレオを獲得するため、まだ動くことはできる」と発言。バルサのユニフォームを着ることへ含みを持たせたのだ。

 するとスペイン国内では、スーパースターの古巣復帰があり得るのではないかと、バルサファンを中心に盛り上がりを見せてきた。目標は7月のアメリカツアーまでの契約締結――など具体的にタイムリミットを定める報道もあった。

 そんななかバルサの元役員であるハウメ・ロピス氏が5月1日、『ラジオ・マルカ』でクラブの経営難の裏事情について明かし、「メッシは来ない」と断言した。

 というのも、メッシとバルセロナが昵懇だったのは、彼がバルセロナの「膨大な財政難を隠すための『別の梃子(レバー=手段)』だった」と説明している。つまりメッシをあえて高額な年俸に設定し、他をコントロールしてきた――というのだ。

 そのためFFPでも、そのあたりの状況を踏まえているとして、「彼は来ないだろう」と強調している。しかもバルセロナが18年間にわたり、スペイン審判委員会副会長だったホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏の所有する企業に多額の金銭を支払っていた「ネグレイラ事件」も明るみになったが、このスーパースターはクラブの「重大な」問題を隠すための「もう一つの煙幕」だったと言うのだ。

 メッシを巡っては、サウジアラビア1部アル・ヒラルが破格のオファーを提示している。ただ基本的にはあと1年、パリSGでプレーすることが妥当なようだが……バルサ復帰への突破口は見出せないのだろうか。

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