松木玖生の退場劇、今野泰幸はレッドカード妥当と判定支持「腕を振る必要ない。顔面にクリーンヒットしている」。FC東京-横浜F・マリノス戦の問題シーンを検証
FC東京の松木玖生。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
賛否分かれたシーンについて、南アフリカW杯に出場した元日本代表が『DAZN』で見解を示す。
[J1 16節] FC東京 2-3 横浜FM/2023年6月3日15:03/味の素スタジアム
J1リーグ16節のFC東京 – 横浜F・マリノス戦、途中出場したFC東京MF松木玖生が69分にマルコス・ジュニオールへの肘打ちによる危険なプレーで、一発レッドカードで退場処分を受けた。
SNS上で賛否両論渦巻いたこのシーンが、疑問の判定について議論する『DAZN』の人気コンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられて、元日本代表選手と元国際主審の家本政明氏がそれぞれ見解を示した。
家本政明は完全なレッドカードではないと感じるものの、VARの提供した映像を見る限りでは――という条件のもとでは“8割レッドカード”と、判定を支持した。
また、ボール奪取のスペシャリストでもある、日本代表として南アフリカ・ワールドカップ(W杯)ベスト16進出も果たした今野泰幸(現・南葛SC)は、「何度も見返しましたが、僕はレッドカードだと思いました」と語り、興味深い見解を示した。
「(ボール奪取に成功した)松木選手は左腕で一度(後方から来ている)相手の位置を確認しています。どこまで、どのように来ているかはある程度分かっていたと思います。だから(マイボールにできている状況であり)別に腕を振り上げる必要がなかった」
ボールを奪われたマルコス・ジュニオールから、逆に松木は背中を押される形でもあった。ただ、そこでこそボランチは我慢し、より自分たちが優位になるように冷静に対応すべきだったと、今野は自身の考えを示した。
「(後方から圧力をかけるマルコスに対し)松木選手が強さを見せようと、ガっとぶつかろうとした腕ががモロに顔面へ入ってしまった。しかも(VARに提供された映像を見る限りでは)クリーンヒットしています。その行為はいらなかった。しかもVARが介入するのであれば、退場処分は仕方ないと思います」
関連記事>>「なんで!」松木玖生が一発退場、アルベル激怒。ボールを奪い切ると肘が相手の顔面へ。J1リーグ、FC東京2-2横浜FM
元FC東京のボランチとセンターバックは、そこでむしろ押されてファウルをもらうことも選択肢に入れて対応できたのではないかと語った。日本を代表するクラッシャーは、確かに球際は厳しく行っていたが、そういったボール奪取後の腕の使い方などにはとても気を使っていた。
また一方で、別角度では、そこまで腕を振り上げていないようにも見える映像もあった。そういった「角度」によって、映像で印象が変わってしまうことも、今後のVARの課題になっていきそうだと意見が出ていた。