【浦和】今季ワーストゲームに興梠慎三が警鐘「守ろう、守ろうとすると、こうした試合になる」。週末はホームで王者・横浜FM戦
浦和の興梠慎三。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
これまで運良く勝てていた、と受け止める。
[天皇杯 4回戦] 名古屋 3-0 浦和/2023年8月2日19:00/CSアセット港サッカー場
天皇杯4回戦、浦和レッズがレンタル移籍中のキャスパー・ユンカーやマテウス・カストロのゴールで、名古屋グランパスに0-3の完敗を喫した。
浦和は全体的に精彩を欠き、守備陣が粘れず、名古屋に良い位置で起点を作られて切り裂かれた。攻撃面では連係が拙く、決定機も作れず。シュート数は名古屋の14本に対し、浦和は5本。前半に至っては0本。結局、枠内シュートはゼロのままだった。
今季ワースト(最悪)と言えた試合で、センターフォワードとして先発した興梠慎三は「完敗だと思います」と、この黒星を重く受け止めた。
「前半の立ち上がりはそんなに悪くなかったですが1点決められて(ユンカーのチーム2点目)からガクっと来た感じがありました。後半の立ち上がりはチームとして良かっただけに、あの状態が長く続けばという感じでした」
これまで逆転勝利が目立ち“なんとなく勝てている”と首をひねっていた興梠だが、“守備ベース”に軸足が傾く戦い方に警鐘を鳴らした。
「今まで守ろう、守ろうとみんなで守って、運良く点が取れていた試合が多くありました。そうした戦いをしようとすると、今日のような試合になってしまうと、薄々自分も感じてはいました。
運だけではやっぱり勝てない。内容が悪くても勝てていましたが内容を良くしないと、特にリーグでは勝てなくなります」
堅守にどこか依存した戦い方。サッカーは本来ゴールを決めるのが、一番の狙いである。しっかり守っていれば勝てる、わけではない。
「(プレーしていて)簡単にプレーしすぎているような気がしました。狙ってこないというか……そこに尽きます。横パス、横パスばかりで」
浦和は今週末のリーグ再開戦で、昨季王者の横浜F・マリノスとホームで対戦する。そしてアウェーでのサンフレッチェ広島戦を経て、18日に再び名古屋と埼スタで激突する。
「8月は厳しい相手が続き、名古屋、マリノス戦は特に自分の中でキーだと思っています。今回負けてしまい、今のチームはこれぐらいなんだと受け止めました。本当にタイトルを獲りたいならば、もっとレベルアップしないといけない。個人でも」
安部裕葵、中島翔哉という元日本代表を獲得したものの、まだ出場の目途が立たず。まだマーケットは開いているものの、この夏の移籍期間で、戦力アップを図れたとは言い難い。
そのなかで、チーム全体、そして個々の力を上げていけるか。痛恨の敗戦とともに浦和にとって厳しい8月の戦いがスタートした。