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浦和サポーター暴徒化、最悪は「資格剥奪」。JFA規定は「無期限入場禁止」を明文化、「無観客試合」の可能性も

浦和レッズのサポーター。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

欧州などではゴール裏の複数試合の閉鎖処分の事例も。

[天皇杯 4回戦] 名古屋 3-0 浦和/2023年8月2日19:00/CSアセット港サッカー場

 名古屋グランパスに敗れた浦和レッズの一部サポーターが暴徒化して緩衝帯を破壊し、ピッチに侵入したあと相手サポーター席に乱入して揉み合った問題だが、主催する日本サッカー協会(JFA)の「試合運営管理規定」「懲罰規程」について確認したい。

「試合運営管理規定」では、今回のケースでは、「特に悪質と認める者に対しては、その後開催されるJFA主催試合についての入場を拒否することができる」と、違反者に対し『入場禁止』の処分が科せられると明記されている。

「無期限に入場を拒否する処分を科す場合は、JFAは当該処分の内容(処分対象者の個人情報を含む)についてJリーグ及び各種連盟に共有するものとし、JFA主催試合に加え、その間の日本国内で行われるすべての試合(Jリーグ及び各種連盟等が主催する試合を含む)の入場を禁止する可能性がある。

 また、Jリーグ及び各種連盟等がその主催する試合において無期限に入場を拒否する処分を科した場合も同様として、運営・安全責任者は、当該処分対象者につきその間のJFA主催試合の入場を禁止する可能性がある」

 先日のダービーが行われたスタジアムで火器を使用したFC東京のサポーター4人に対する「無期限入場禁止処分」が、これに該当する。

 一方、「懲罰規定」は、基本的には選手・スタッフ・役員・仲介人を対象としたものだ。そのなかで、観客やサポーターについては、「差別」の欄で次のように記載されている。

◎人種、肌の色、性別、言語、宗教、又は出自等に関する差別的あるいは侮辱的な発言又は行為により、個人あるいは団体の尊厳を害した場合、以下のとおり懲罰を科すものとする。但し、軽度の違反の場合は、譴責若しくは戒告、その他軽度の懲罰に留めることができる。

(1)違反者が選手等(アマチュア選手を含む)の場合は、違反当事者に対して、原則として最低5試合の出場停止処分及び最低10万円の罰金を科す。

(2)同一のチームに所属する複数の個人が同時に本条に違反した場合は、当該チームに勝点の減点処分(初回の違反は3点、二度目の違反は6点)を科す。さらなる違反の場合は、下位ディビジョンへの降格処分を科す。なお、勝点が伴わない競技会の場合は当該チームの競技会への参加資格を剥奪するものとする。

(3)違反者がサポーターの場合は、その有責性にかかわらず、当該チームに対して最低40万円の罰金を科す。重大な違反には、観客のいない試合の開催、試合の没収、勝点の減点、又は競技会の資格剥奪などの追加的な懲罰を科す。

(4)違反者が観客(サポーターを含む)の場合は、最低2年間、スタジアムへの入場を禁止される。

――・――・――・――・――・

 本来は「差別」が対象である。ただ、今回の浦和サポーターの集団による行為は「侮辱的な発言又は行為により、個人あるいは団体の尊厳を害した場合」に該当すると見なされる可能性もある。

 その場合、浦和に「最低40万円の罰金を科す。重大な違反には、観客のいない試合の開催、試合の没収、勝点の減点、又は競技会の資格剥奪」の処分が科されることもあり得る。さらに来季の天皇杯など「資格剥奪」という厳しい追加懲罰も対象になり得ると明記されている。

 欧州などでは、サポーターの発煙筒使用や差別的チャントにより、ゴール裏のみを複数試合閉鎖するという処分が下された事例もある。

 SNS上では、Jリーグの懲罰規定が用いられているが、今回はJFA主催のため、上記のようなJFAの規定に則り罰則が適用される。解釈によっては、サポーター個々人の処分で済む場合もあるか。

 ただし、浦和には過去にJリーグ、そしてJFAから厳しい罰則が科されてきた。サッカー界で同様の事例が今度発生することを防止する意味でも、厳罰が下されることは考えられる。

 リーグ戦では、むしろクラブのサポーター団体に対する自主的な厳しい対応が迫られる。6日には横浜F・マリノスとの対戦がホームで組まれている。

 この問題は、試合後、名古屋サイドからの挑発に激高した浦和サポーターの一部が、集団でスタンド内の緩衝帯を破壊してさらに突破。するとピッチにも侵入し、逆サイドの名古屋サポーターの応援するスタンドに乱入するなど暴徒化した。さらにメインスタンドまで押し寄せ、警察も出動。その様子が、SNSのツイッターなどで拡散された。

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