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【浦和】サポーター暴徒化処分、「ピッチ侵入」のみ対象。「暴力行為ない」「横断幕や着用物の破損は和解」クラブが経過説明

浦和の応援風景。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

なぜ、今回の処分に決まったのか。クラブ発表の経緯と報告。

[天皇杯 4回戦] 名古屋 3-0 浦和/2023年8月2日19:00/CSアセット港サッカー場

 浦和レッズは8月5日、2日の天皇杯4回戦・名古屋グランパス戦後に浦和のサポーター約100人がピッチに侵入したあと相手サポーター席に乱入し揉み合った問題で、田口誠社長と須藤伸樹マーケティング本部長がオンラインによる記者会見を行った。このなかで、日本サッカー協会(JFA)や名古屋サイドとの事実確認により、「暴力行為はなかった」「横断幕などの破損はあったが、両サポーターで和解されている」として、処分対象の行為は「ピッチ侵入」のみとして、ガイドラインに基づき主に「9試合入場禁止」「厳重注意」の処分に至ったと説明があった。

 記者会見のなかで須藤氏がこの騒動の経過を報告。当日の試合後、土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)がゴール裏で一部サポーターと話し合った。約20分したところで、横断幕の撤収に来ていた名古屋のサポーターからの言葉で、一部が挑発と受け取り、バックスタンドに移動。一部は静止に入ったものの約50人が緩衝帯を突破し、さらにピッチに侵入。約100人が相手コーナーフラッグ付近、相手ゴール裏のスタンドまで乱入したという。

 約5分後、両リーダーが話し合いを実施。しかしコーナーフラッグ付近では「口論」が再燃し、主管していた愛知県サッカー協会から連絡を受けた消防署が会場にも来たという(動画では、愛知県警が出場している)。

 そのあと日本サッカー協会、Jリーグ、愛知県サッカー協会、浦和、名古屋、両サポーターのリーダーで話し合いを実施。「暴力は振るっていない」「横断幕や着用物の損傷が確認されたが、両サポーターの和解が成立している」といい、後日被害届が出た場合、浦和は対応していくそうだ。

 浦和は3日、相手ゴール裏まで侵入した31人に9試合、リーダーに16試合の入場禁止、制止などに入った45人に厳重注意の処分を下した。JFAとJリーグの定めるガイドラインに基づいて決定したという。ただし、クラブは暴力行為などはないとして、「ピッチ侵入」に対する行為にのみ処分を下したそうだ。

 浦和は6日にホーム・埼玉スタジアムでの横浜F・マリノス戦を控えていたため、処分決定を迅速に進めた。しかし一方、ピッチに侵入した「約100人」というものの全員を把握できず。また、相手ゴール裏への乱入や衝突、相手サポーターやメディアへの恫喝などの行為については処分対象外となっている。

 浦和は調査を続け、JFAも映像などを確認中だと報告。今後新たな違反行為、違反者の申し出があれば、「適正な処分を行っていく」そうだ。

 田口社長は記者会見の冒頭「先人が紡いできた日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行。絶対に感じさせてはいけない不安や恐怖を与えてしまったことは痛恨の極み」と語り、名古屋サポーターをはじめ、サッカー・スポーツ関係者に対し謝罪した。

Posted by 塚越始

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