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「30歳のリバプール移籍は異例」遠藤航の電撃加入に有力メディアは懐疑的

遠藤航。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「賢明でコストパフォーマンスの高い救済策になるのか。それとも…」

 ドイツ・ブンデスリーガ1部VfBシュツットガルトに所属する日本代表MF遠藤航(ENDO Wataru)が8月17日、イングランド・プレミアリーグのリバプールFCへの加入に向けて現地入りしメディカルチェックを受けている。早ければ同日中にもレッズ入りが正式発表される。

 遠藤の名門リバプール電撃加入に、イギリスメディアも強い関心を寄せている。

『ザ・テレグラフ』は、「絶望的なパニック買いか、それとも差し迫った問題に対する妙案か?」とレポート。リバプールにとって、「ジョーダン・ヘンダーソンとファビーニョが退団し、さらにチェルシーに常に選手補強で出し抜かれるなか、クロップが中盤の補強のため30歳のシュツットガルトのキャプテンに目をつけた。そのニュースは、当初、嘲笑と絶望さえ混じった衝撃が走った」と伝える。

 ボランチは補強ポイントだったが、モイセズ・カイセド、ロメオ・ラヴィアの獲得を逃したなか、「SAMURAI BLUE」のキャプテンである遠藤がターゲットに。守備的ボランチとしてのドイツでの実績は高く評価しているが、では、なぜボルシア・ドルトムントやバイエルン・ミュンヘンといったドイツトップクラブはこれまで獲得に動いてこなかったのか? という点を疑問視している。

 何よりリバプールにとって、30歳の選手獲得は「異例だ」という。

「30歳を過ぎてリバプールに加わるのは異例だ。リバプールは基本的に24歳以下をターゲットにしていて、必要に応じて、経験のある選手を獲得してきた。ただし、チアゴ・アルカンタラはバルセロナとバイエルン・ミュンヘンでのチャンピオンズリーグ優勝経験者であり、ジェームズ・ミルナーはマンチェスター・シティで数々のタイトルを獲得してきた。彼らの輝かしいキャリアは明らかであった」

 そのようにブンデスリーガの残留争いをしてきたクラブからの“抜擢”に疑問符をつけている。ドイツ人であるイェルク・シュマットケ新スポーツディレクターがこのほど就任し、そのドイツ人脈を活かしての補強でもある。そうしたユルゲン・クロップ監督との『ドイツ路線』にもやや懐疑的な目を向ける。

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「遠藤のインパクトは、賢明でコストパフォーマンスの高い救済策になるのか。それともリヴァプールの次の大型契約は守備的ミッドフィルダーだけでなく、高いスキルを持つスポーツ・ディレクターを雇わなければならないという証拠になってしまうのか。そのあたりは精査されることになる」

 そのように復権を目指すリバプールにあって、新強化体制に厳しい目が向けられるなか、「Liverpool Wataru ENDO」が船出をする。