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【鹿島】ピトゥカ退場処分、「今の世界的な流れからも致し方ない」。混乱の収束方法は他にあったのでは…

鹿島のピトゥカ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

DAZN「Jリーグジャッジリプレイ」で深野氏、家本氏が見解を示す。

[J1 27節] 鹿島 1-0 C大阪/2023年9月16日18:03/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ27節、鹿島アントラーズ – セレッソ大阪の25分、ディエゴ・ピトゥカがボールに向かったあと相手選手の脛を踏みつけ、VARの介入を経て一発レッドカードで退場処分を受けた。さらに執拗に異議を唱えた岩政大樹監督にイエローカード、コーチングエリアの外まで出て主審に繰り返し拍手を送った通訳に一発レッドカードが提示された。このシーンがDAZNの「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、元国際審判員である深野悦子氏(オーストラリア・ニュージーランド共催のFIFA女子ワールドカップでFIFA審判インストラクターを担当)、家本政明氏がこの一連のシーンについて見解を示した。

 ピトゥカへのレッドカードの判定は「今の世界的な流れからも致し方ない」と家本氏は説明。一方、主審はこのファウルを2メートルほどの至近距離から見ていたものの懲戒罰(イエローカードかレッドカード)の判断を下せなかった点を「ちょっと残念」と問題視していた。深野氏もその点でノーカードからレッドカードに「2段階」変更され、鹿島サイドの不信感が強まってしまったのではないかと指摘した。

 また、今回はそのあとの鹿島のベンチからの抗議について「リスペクト(尊敬)に欠ける」ことが何度もこのコンテンツ内で強調された。深野氏は女子W杯では、ボールを叩きつけたり、副審に詰め寄る行為があればイエローカード以上になると、大会前に選手へ強調しレクチャーされていたという。そういったこともあり、大会中に選手の審判への抗議は、ほとんど見られなかったそうだ。

 また今回は、鹿島の選手がさらに主審に対し拍手を送っていることなども指摘。レフェリーチームの判断を尊重しつつも家本氏は「それ(2枚のレッドカードと1枚のイエローカード)以外に(方法は)なかったのか。それよりも酷い行為はなかったのか。レッドカードを出したあとにも選手が拍手をしていますが、それは対象になっていません。であれば、正しさとはなんなのか。どこまで、何を正しく持っていくのか」として、他のジャッジ、この問題の収束方法もあったのではないかと見解を示した。

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 さらに攻撃的なチャント、ペットボトルの投げ込みなどにも言及された。そこで深野氏からは、VARの介入時には、今回の女子W杯で導入された主審の判定に関する説明アナウンスは、Jリーグでも検討されるべきではないかという意見も出た。

 また、野次や暴言などを受けて審判員を辞めていく人が少なくない現実問題を、深野氏は吐露。特に女子審判員は、なり手が決して多くないという課題も挙げられた。

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