【浦和】天皇杯参加資格剥奪決定も、クラブからサポーター・団体への追加処分なし。再発防止へ新たな処分基準策定、2つの外部委員会立ち上げを発表
浦和レッズのサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
JFA規律委員会からの発表を受けて。社長と取締役が3か月間、一部報酬返納。
浦和レッズは9月19日、天皇杯・名古屋グランパス戦での約70人のサポーター暴徒化問題を受けて、日本サッカー協会(JFA)規律委員会から来年度の天皇杯参加資格の剥奪という厳しい処分発表を受けて、「浦和レッズサポーターによる違反行為について(第四報)」を公式サイトで発表した。
クラブは再発防止に向けた「新たな処分基準の策定」が「最重要課題」だという認識を示している。浦和からは当初「ピッチ侵入」した約80人に罰則を科したのみで、そのあとはJFAからの処分のみが発表されてきた。結局、「天皇杯参加資格剥奪」という前代未聞の厳罰を食らいながら、クラブからその当事者であるサポーター・団体への追加処分はないままで、その点について一切言及されていない。
また再発防止策では「違反行為」への新たな処分基準策定、そして2つの外部委員会を立ち上げると発表。今後3か月、代表取締役社長が役員報酬の15パーセント、取締役が同報酬の10パーセントを自主返納する。今回「事件」を起こしたサポーターへの処分ではなく、いずれも今後への対策となった。
浦和が掲げた「再発防止策」の要旨は次の通り。
1)
違反行為の新たな処分基準の策定
違反行為に対する厳罰化など新しい処分基準を2023年10月までに策定する。
2)
処分解除決定の運用プロセスの見直し
クラブ内のコンプライアンス委員会を新設。新しい処分基準と同様、2023年10月までにコンプライアンス委員会を設置する。構成メンバー、外部有識者の選定を行う。
3)
ファン・サポーターや外部アドバイザーからなる第三者委員会の発足
クラブスタッフに提言する「第三者委員会」を立ち上げる。クラブの変化すべき点や変化すべきでない点、新たに着手すべき点など、今後のクラブ運営に役立てていく。
4)
違反行為者への毅然とした対応
違反行為が発生した場合、または予兆を察知した時点で今まで以上に毅然とした態度とスピード感をもって対応していけますよう、スタッフへの権限移譲も含めた対応体制の見直しをすでに開始している。
5)
「スタジアムでの禁止事項等観戦ルール」の周知徹底
スポーツを通じた幸せや平和の実現を目指す。重点禁止6項目(差別的発言・行為、暴力行為、ピッチ等への物の投げ込み、器物損壊、立ち入り禁止エリアへの侵入、指定エリア以外での喫煙)の遵守を啓発強化。
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6)
ファン・サポーターとのコミュニケーションの再構築
シーズンチケットホルダー、応援リーディングチーム、REX CLUB会員など、様々なファン・サポーターとの対話を強化する。