ウーゴ、天野、扇原ではなく…広島が横浜FMで最も警戒した要注意人物とは?
横浜F・マリノスの仲川輝人。(C)SAKANOWA
「最後は彼のところで崩してくる」と対策を練り封じる。
[J1 19節] 横浜FM 1-4 広島/2018年8月1日/ニッパツ三ツ沢球技場
広島が改めて自分たちのストロングポイントを見つめ直すことで掴んだ1勝だった。横浜F・マリノスのストロングポイントを発揮させず、いかに攻略するのかー―そのスカウティングもかなり緻密に行われていた。横浜FMの最前線のウーゴ・ヴィエイラまで、いい形でボールが入ることがほとんどなかった。
横浜FMが志向するポジショナルプレーをいかに分断するのか。広島の城福浩監督が横浜FMのキーマンに挙げたのは、ウーゴ・ヴィエイラでも、司令塔の天野純でも、アンカーの扇原貴史でもなかった。
「特に仲川の存在は脅威でした。ボールを出し入れしながら、最後は彼のところで崩して点を取っていることが多かったです。それに最近は中盤も非常にハードに(守備を)やってくるチームになっているので、中盤でボールを奪われたあとのショートカウンターは本当に怖かったです」
城福監督が具体的に挙げたのが、4-1-2-3の「3」の右ウイングを務める仲川輝人だった。確かに横浜FMの中で、ボールを収めて時間を作れる重要なポジションだ。スペースを与えれば、アグレッシブにゴール前にも進入してくる。広島は相手がショートカウンターを発動させようとしたとき、仲川にも自由を与えないことを優先して対応していたという。
「そこは負けないように。切り替え、競り合い、集結、近くでまず掴むこと、全て負けない意識をみんなが持っていました」
そのように城福監督は振り返った。また水本裕貴も『仲川対策』について、「とてもいい選手なので、僕のみならず、(佐々木)翔、カシ(柏)で厳しく対応に行きました」と語っていた。
最近の横浜FMは対策を練られると、それを上回ることをできずにいる。相手の狙いを察知しそれを逆に利用したり、前半戦のようにセットプレーを活用したり(この日の広島のように)、そのような駆け引きの妙が今後は求められそうだ。
文:サカノワ編集グループ