【Jリーグ】チーム名へのネーミングライツ(企業名)、全クラブが2年前「検討すらしない」と申しわせたが…
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
一部報道にJリーグは「事実無根」と否定。
Jリーグは12月12日、一部であった『Jリーグがスポンサー企業名入りのクラブ名称を認める』との報道について「事実無根」と否定した。クラブ名に企業名を入れるかどうかのテーマについて、Jリーグは2年前の2021年12月、全クラブが今後「研究も検討すらも行わない」と申し合わせていた。
2021シーズンを総括する2021年12月23日の記者会見で、当時の木村正明専務理事は、これまでタブー視されてきた聖域を含めて協議していく「リプランニング推進サポートチーム」について報告。新型コロナウイルスの影響を受けて、全クラブが経営面でダメージを負ったなか、どのような「打ち手」が可能かを検討・協議してきた。
そのなかで『検討するか否か検討』の項目に「クラブチームに企業名を入れる『ネーミングライツ活用の可能性』」についてが含まれていた。海外の事例、効果と課題を基に、まず検討に値するかどうかを協議した。しかし「研究が進み、検討しない」ことを確認し合ったと報告していた。
木村専務理事は次のように説明した。
「クラブの法人名とクラブ名の他にある、略称に企業名、親企業、責任企業、あるいはネーミングライツを募集することは可能かどうか、検討することができるか研究を進めてきました。
責任企業、またクラブとヒアリングや対話をしてきましたが、実際にいろいろな話をしたなか、メリットはほとんどないのではないか、という結論に至りました」
木村氏は、Jリーグが積み上げてきたそもそものブランドが棄損しかねるとも説明していた。
「何よりJリーグが大切にしてきた地域密着の理念を損なうことになりかねない、リーグ全体のブランディングを大きく棄損することにつながりかねないということから、全クラブ、これはすべきではないだろうと一致し、今後、研究すらもしないということになりました」
ただし、この後、Jリーグの体制は変更され、木村専務理事も退任している。
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責任企業を持つクラブチームは、経営の”三本の矢”のうち、入場料収入の数倍をスポンサー費などで計上してきた経緯もある(もう一つがグッズなどの販売)。近年はクラブ運営面や試合前などのイベントでも責任企業のカラーがやや強まりだしていたなかでの、今回の報道となった。