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【浦和】スコルジャ監督が遺した果実、選手は迷いなく闘っていた。荻原拓也「メンタリティ的にも、あとは思い切りやるだけだった」

ACL優勝を果たした浦和のスコルジャ監督(左)と荻原拓也(右)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「ミスをとがめず、選手の持っているものを出させたいという気持ちがすごく伝わってきました」

[クラブW杯]浦和 – クラブ・レオン/2023年12月15日23:30(現地17:30)/キング・アブドゥッラー・スポーツシティ・スタジアム(サウジアラビア)

 J1リーグ浦和レッズがクラブ・ワールドカップ(クラブW杯)2023の初陣となる2回戦、メキシコのクラブ・レオンと対戦する。今季限りでの退任が発表されているマチェイ・スコルジャ監督にとって、浦和で指揮を執る最後の大会に。浦和は勝てば、19日、準決勝でイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティと対戦する。

 負傷者もいるなかでスコルジャ体制の総決算となるクラブ世界一決定戦。浦和は2025年(アメリカ大会)から4年ごとの開催になる新方式のクラブW杯の出場権も得ている。

 今季AFCアジア・チャンピオンズリーグ2022を制し、リーグ戦4位、ルヴァンカップ準優勝と好結果を残した。多くの人が、何とかあと1年……と思ったのは事実だ。

 スコルジャ監督のもと、特に印象的だったのが、選手が迷わずピッチに立てていたことだ。一人ひとり役割を理解し、何をすべきかが整理できている。そのなかから最適な選択肢をそれぞれが選んでいた。

 もちろんシーズン終盤、特に攻撃の最後の局面で、その選択肢が限られたのは、左MFなど離脱者が相次いだこと、ホセ・カンテに続き得点に絡める選手が出現しなかったことなど影響したのか、まだ前体制からやや“後傾”となってしまっているあたりはペア・マルティン・ヘグモ体制に引き継がれる課題でもある。

 ただ、相手選手を一人ずつはがし、3~4つのラインを突破して、最後にゴール前で数的優位を作り出そうとする。その意図と狙いは観ている者にも伝わった。チームが好調な時は、攻撃の始点となるアレクサンダー・ショルツが最終ラインからグッとボールを持ち出した瞬間、相手チームがおおっと後ずさりするように威圧されているのさえ感じられた。

 迷いなく闘えていた。その象徴と言える一人が、京都サンガF.C.からレンタルバックされた荻原拓也だった。スコルジャ監督のもと、飛躍した一人に挙げられる。

 荻原は頷いて言った。

「練習でしっかり落とし込んでくれて、メンタリティ的にも、あとは思い切りやるだけだという状態にさせてくれました。ミスをとがめず、選手の持っているものを出させたいという気持ちがすごく伝わってきました。そうした環境を作ってくれたことが、もちろん目指したところには届かなかったですが、チームとして、ここまで来させてくれたと思います」

 そして24歳のレフティは「もう一度仕事をしたい、仕事をさせてもらいたいと思える監督でした」と、スコルジャ監督への思いを口にした。

「チーム全体をマネジメントし、長い時間かけてクラブとチームのことを考えてくれて、言葉数は少ないんですが、常にそういう姿勢を見せてくれました。そこに応えたいという1年間、その意味での良いシーズンを送れたと思います」

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 だからこそ、結果がなかなか残せずにいるシーズン最終盤、荻原は「終わった時には、観ている人もポジティブな気持ちになれるように、期待にしっかり応えられるようにやっていきたいです」と、闘志を燃やしていた。

 メキシコの雄との対戦、浦和のSB荻原が思い切って全力で挑む。

Posted by 塚越始

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