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大谷翔平の後払い、ドジャース「500億円」節約成功。大型契約と金融の舞台裏、高橋洋一氏が解説

大谷翔平の加入を発表したドジャース。(インスタグラムの @Los Angeles Dodgersより)

ユーチューブの『高橋洋一チャンネル』にて。「大谷さんは超太っ腹。ドジャーズさんはものすごく得をしている」

 アメリカ・プロ野球メジャーリーグベースボール(MLB)、ロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースへフリーエージェントでの加入が決まった大谷翔平(Shohei Ohtani)が、スポーツ界史上最高額となる総額「10年契約7億ドル(1014億円)」の契約を結び、12月15日には記者会見を行い「優勝=世界一」への強い思いを口にした。

 経済学者である高橋洋一氏はこのほど、自身のユーチューブ公式サイト『高橋洋一チャンネル』で「金融」の観点から、大谷の天文学的契約の内容について詳しく解説。10年契約で総額約1014億円ということだが、一括なのか、分割なのか、前金なのか、後払いなのか、その支払い方によって利子も変動し「価値」も大きく変わるというのだ。

 今回、大谷からの提案で、約9割は後払いされる“太っ腹”契約になったと、『ジ・アスレティック』など米国メディアで報じられている。

 総額の約3パーセントずつ10年間に受け取り、残り990億円はその後の10年間の分割払いに。その支払い方法に、高橋氏は「これはスゴい後払い。強烈な後払い」と驚く。

 もしも最初に約1000億円で契約した場合、「利子で運用できる」として、一方、後払いになると「現在価値」が低くなるというのだ。

 アメリカ10年国債の年利は現在約4パーセント。総額1020億円として、大谷の20年間の契約方式で計算すると、現在価値は「580億円」というのだ(年利4パーセントで運用された場合、約20年後に約1020億円になるという計算)。

 現在のアメリカの景気を踏まえて利子まで勘案すると、ほぼ半額、500億円もの差が出るということだ。高橋氏は「大谷さんは超太っ腹。ドジャーズさんはものすごく得をしているよ。アメリカの利子を考えると、ものすごく価値は低くなっている。言ってみれば、ほぼ半額で買っている。というのが金融の計算になる」と解説し、エクセルなどで演算してみることを推奨。低金利の続く日本だが、20年で元金がほぼ倍額になるという利子の”重さ”がより理解できる内容となっている。

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 ただし大谷がスーパースターだからこそ結べた契約内容であり、一方、ドジャースも「20年後に潰れていない」という“超優良企業”である。高橋氏によると、「超一流プレーヤーと超一流球団だからこそできた取り引き」だからこそ実現した、まさにビッグディールということだ。

 サッカー界では、メジャーリーグ・サッカー(MLS)のインテル・マイアミに加入したリオネル・メッシが2年契約+1年のオプションを結んでいる。一方、レアル・マドリードはこのほど、ロドリゴとの契約を2028年6月まで、ヴィニシウス・ジュニオールとは2027年まで延長するなど、若く有能な選手とは早い段階で契約内容を見直し、4-5年契約を常に維持。チームに集中させ、サウジアラビアなどからの規格外のオファーや引き抜きへの対抗措置を取っている。

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