【浦和】橋岡大樹に舐められた!? 森脇良太がそれでいいと笑った理由
森脇良太。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ケガから復活し4か月ぶり先発、意表を突くクサビのパスで先制点をもたらす。
[J1 22節] 浦和 4-0 磐田/2018年8月15日/埼玉スタジアム
浦和レッズの森脇良太がジュビロ磐田戦で今季リーグ初先発を果たし、3-4-3の右ウイングバックとして73分までプレー。先制点の起点になるクサビのパスを放つなど、チームを大勝に導く活躍ぶりを見せた。
今季は4月4日のルヴァンカップ・グループステージのサンフレッチェ広島戦(△0-0)以来のスタメン。リーグ戦の先発は昨季11月29日の33節・川崎フロンターレ戦(●0-1)以来、実に約9か月半ぶりだった。
「昨日先発を言われましたが、心の準備はできていました。持ち味を出し、全力を出し切れるところまで行こうと思い、自分のプレーを多く出せました。慣れるのに時間がかかったが、15分ぐらいから落ち着いて、みんなでグループで崩していくという特長を出せました」
55分の先制点の場面。森脇から興梠慎三へのクサビのパスがこぼれて、青木拓矢が弾丸ミドルを放つ。そしてGKカミンスキーの弾いたボールをファブリシオが豪快にボレーで叩き込んだ。
「みんながクロスを予想していたなかで、クサビを入れれば変化を起こせると思った。結果、得点に結びついた。試合後のロッカーでいろいろ話して、『とても良かった』と珍しくみんなが褒めてくれたのが、今日の一番の収穫でしたね」
オズワルド・オリヴェイラ監督も「モリはケガのため開幕から出遅れていたが、十分スタメンで出られる力は持っていた」と語った活躍ぶり。相手の思う裏を突いて、前線にボールをつける――これまで浦和に不足していた攻撃のアクセントを加え、しかも守備面でも無失点に抑えた。
「(途中交代したあと)ベンチでチュンくん(李忠成)から『橋岡がモリくんのこと舐めていたぞ』と言われました。こんなことできるのかと、驚いていたと」
森脇は笑って続ける
「ただ、(橋岡)大樹には大樹の良さ、僕には僕の良さがあり、二人で切磋琢磨していければいいと思います。僕がこれまで経験してきたことを伝えるのも役目。決して誰かを蹴落としてスタメンになるというのではなく、切磋琢磨し合う競争の中でスタメンの座を勝ち取れるように、お互い良いいライバルで、いい仲間で、いろんなものを吸収し合えればと思います。僕も橋岡から学ぶことも多々あり、参考にしている。この結果だけでレギュラーで出続けられるとも思わないので、与えられた役割をしっかりやっていきたいです」
開幕から右ウイングバックを務めてきた新人の橋岡が連戦もありこの日控えに回った。そこで森脇は橋岡とは異なる特長を発揮。加えて森脇は右ストッパーもこなせる(むしろ主戦場)だけに、その復活はチームにとっても大きなプラス材料となりそうだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI