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【鹿島】ポポヴィッチ監督が語った「タイトル」への想い。戦術や理論を浸透させる「プロセス」に定評あるなか

鹿島のポポヴィッチ監督(右)と塚田貴志通訳。写真:竹田桃子/(C)Momoko TAKEDA

「タイトルを獲る。そのために1日を全力で過ごすこと。それは皆さんにお約束します」

 今シーズン鹿島アントラーズの指揮官に就任したランコ・ポポヴィッチ監督が1月21日の新体制発表会の後の取材対応で、「プロセス」と「タイトル」について語ってくれた。

 日本では初めて指揮した大分トリニータをはじめ、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪で監督を務めてきた。印象的なのが、選手から聞かれたトレーニングの質の高さだった。数多くの指揮官のもとでプレーしてきたあるベテランだった選手(現在指導者になっている)は、ポポヴィッチ監督のトレーニングが、これまでで一番面白かったと言っていたことがある。

 ただ、戦術や理論を浸透させるには、様々な条件が求められ時間も掛かると言われる。

  そのあたりについて聞くと、セルビア出身でオーストリアの国籍を持つ指揮官は「プロセスを早めていきます。そして結果を残します」と語った。

 もちろん求めているのは勝利でありタイトルである。基本的なスタンスは変わらない。Jリーグで最もタイトルを獲得してきた鹿島での挑戦。指導者として大切にしてきたものを生かしつつ、鹿島の「タイトル」を同じく強く希求している一人である。

「私はプロセスをすごく大切にしてきました。成功は一夜で掴めるものでも、作れるものでもありません。もちろん、このクラブに来たからには、求められているもの、果たさなければいけないことは明確です。必ずタイトルを獲ると約束します、と大きなことを言うタイプではないですが、タイトルを獲得するために日々を過ごしていく、全力を尽くす。そして目指すところがタイトルである。それだけはハッキリと伝えたいです」

 ポポヴィッチ監督にとって、ある意味、機は熟したとも言える。鹿島に来る直前までは、セルビア1部FKヴォイヴォディナ・ノヴィサドを率いて、上位に導いてきた。同国メディアでは、その好戦的なスタイルが「大きなインパクトを残してきた」と称賛されていた。

 56歳になったポポヴィッチ監督も様々な経験を積み、ヨーロッパのステージで存在感を示してきたなか、そして躊躇わずこの鹿島からのオファーに応じた。

 飢えているのはタイトルだ。

「一人ひとりが、そこから逆算して何をしなければいけないのか。朝起きた瞬間から、タイトルを獲るために1日を過ごせているのかどうか。トレーニングできているのかどうか。そこが非常に重要だと思います。その1日1日の積み重ねが、タイトルを獲得することにつながると思います。タイトルを獲るために、1日を全力で過ごすこと。それは皆さんにお約束します」

 プロセスも大切にする。ポポヴィッチ監督にとっては難しく、そしてやりがいのあるミッションへのチャレンジになる。

「時間とともに、自分が何をやってきたかが証明されると思います。ただ鹿島が証明し続けてきたこと、それが一番やりたいことです。勝ち続けてタイトルを獲ること。それだけです」

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 鹿島は2月10日14時から、カシマサッカースタジアムで水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル2024」を戦う。そして23日にアウェーでの名古屋グランパス戦で開幕を迎える。ホーム初陣は3月2日のC大阪戦だ。

Posted by 塚越始

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