なでしこジャパン「アジア2冠」まであと2勝!北朝鮮戦の選手交代の舞台裏とは?
北朝鮮戦、岩渕真奈が先制! なでしこの歓喜の輪ができる。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
プランよりも優先されたのは――。
[アジア大会 女子サッカー準々決勝] 日本 2-1 北朝鮮/2018年8月25日/インドネシア
なでしこジャパン(日本女子代表)がアジア大会準々決勝で北朝鮮との激闘を2-1で制し、ベスト4進出を果たした。前回決勝で敗れていた北朝鮮にリベンジを果たした形だ。
主導権を握り合う展開のなか、40分に岩渕真奈が先制弾を決める。その後は相手が猛反撃を仕掛けてきたが、62分、長谷川唯が決めてリードを広げた。71分にPKで失点して1点差に詰め寄られたものの、全員でしっかり耐え抜いて辛うじて逃げ切った。
まさに激闘だった。高倉監督は「全員がコンパクトな陣形を保った守備をするなかで、ハードに一つひとつ戦っていくことを90分間できました。不要なファウルでPKを与え、最後は相手に勢いを与えてしまったが、全員で凌ぎ切ったことは自信になり、また一つ上のランクで試合ができることをチームの財産にしたい」と、勝利できたことに安堵していた。
ハーフタイムに田中美南から菅澤優衣香、70分に長谷川唯から籾木結花、そして85分に岩渕真奈から増矢理花へと交代枠を使い切った。その交代の”舞台裏”について、高倉監督は明かす。
「前半で田中を代えたのは、FWのボールの収まりが悪かったので、菅澤を入れて起点を作りたいというのが意図でした。(増矢投入の意図を聞かれて)増矢のみならず一つ前の交代も含め(籾木投入)、ゲームプランはありましたが戦術的というよりも、選手の状態が疲労から難しくなっていたので、このピッチコンディションと暑さを考えての交代になりました」
そのように指揮官はプランはあったが、疲労度を考慮し、最後は交代のカードを切っていったことを明かした。東南アジアの厳しい環境のなか、選手たちの疲労は相当に蓄積させている。
8月28日の準決勝は韓国と対戦する。
「韓国は日本と良いライバル関係にあり、非常に力のある相手でいつも接戦になります。まず選手たちの疲労をとり、この素晴らしい大会で、お互いの良さを出せるような試合をしたいと思います」
高倉監督はそう抱負を語った。アジアカップに続いて、「アジア女王2冠」まであと2勝だ。
文:サカノワ編集グループ