【鹿島3-1湘南】キム・ミンテと鈴木優磨、試合後に時間をかけて語り合った内容とは!?
湘南のキム・ミンテ(左)と鹿島の鈴木優磨(右)。写真:上岸卓史/Takashi UEGISHI
「鹿島からすると、『ザ・鹿島』と言える試合展開、湘南からしても『ザ・湘南』という感じでした。内容は良くても、その勝負強さは学ばなければ」
[J1 11節] 鹿島 3-1 湘南/2024年5月3日15:00/県立カシマサッカースタジアム
J1リーグ11節、鹿島アントラーズ対 湘南ベルマーレの一戦は、鹿島が鈴木優磨の2ゴール・1アシスト、チャヴリッチの1得点の活躍で3-1の勝利を収めた。
この試合後、2022年から昨季途中まで鹿島でプレーしたキム・ミンテのもとに、アントラーズの選手たちが来て会話をかわしていた。鹿島に在籍した選手やスタッフは永遠にみんなが“アントラーズファミリー”だとよく耳にするが、それを印象付けるような光景だった。
もちろん何よりキム・ミンテの人柄の良さかもしれない。どの鹿島の選手も時間をかけて話していた。
なかでも、じっくりと、時に真面目に、時に楽しそうに話し込んでいたのが鈴木優磨だった。キム・ミンテがこの日マッチアップを繰り広げたエースである。失点はいずれもセットプレーの流れからで、試合中の対応は体を張って封じ続けた。
試合中は互いに絶対に負けないという白熱のバトルを繰り広げた。ただ試合後、友に戻った二人は将棋でいう“感想戦”のように振り返りつつ、それぞれの今後に向けて健闘を称え合った。
キム・ミンテはこの日の試合について「鹿島からすると、『ザ・鹿島』と言える試合展開でした。湘南からしても、『ザ・湘南』という感じでした。内容は良くても、一発のセットプレーなどその勝負強さは学ばなければいけないと思います」と振り返った。
そして鈴木とのマッチアップについて、「プレー中に何かをされたかというと、結構抑えることができていたと思います。ただ、セットプレーの流れから、なんだかんで優磨に2点を取られる。カウンターから優磨のクロスからアシストされた。優磨は流石だと思いました。僕は常に周囲と声を掛け合っていましたが、その勝負強さに関しては、湘南はまだまだだと感じた試合になりました」と、勝負どころでしっかり突かれてしまったと悔やんだ。
ちなみに試合後に鈴木と何を話していたのかを問うと…ミンテは「内緒です(笑)」と言ったが、少しだけ明かしてくれた。
「それぞれのチームの状況についてや、また、鹿島の良さについて、僕が湘南に来てから思ったことを伝えました。優磨も今の湘南のサッカーは面白いし、良いと言ってくれて、ただ勝負強さはさすが鹿島だね、というような話をしました」
湘南は5月6日、ホームで勝点1差の18位サガン鳥栖と対戦する。上昇気流に乗るためにも、勝点3が欲しい一戦だ。
「淡々とやります。いろいろ考えてしまうと落ち込んでしまう選手もいると思いますし、良くも悪くも次の試合が来ます。しっかり勝てれば、なんとか乗り越えられると思います。次に向けてやるしかありません」
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鹿島は6勝1分4敗の勝点19で3位タイの勝点19に。一方、湘南は1勝4分6敗の勝点7で最下位。
取材・文/塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI