「帰国前日に声を掛けてくれた」ジネイ”感謝”の松本初ゴールで福岡撃破
甲府から松本に加入。2試合目にして初ゴールを決めたジネイ(中央)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
アディショナルタイム弾で4試合ぶりの勝利をもたらす。
[J2 32節] 福岡 0-1 松本/2018年9月8日/レベル5スタジアム
松本山雅FCがアビスパ福岡との上位決戦、新加入FWジネイのアディショナルタイム弾で1-0の勝利を収めた。ジネイは松本加入後、リーグ2試合目での初ゴールが決勝点に。松本に4試合ぶりの勝点3をもたらした。
福岡が優位に試合を進めるなか、松本も持ち味であるしぶとく食らいつく粘り強い守備で対応。迎えた後半アディショナルタイムの90+1分、自陣からのFKを岩上祐三が思い切って蹴り込む。
すると、パワープレーで前線に入ったジネイのファーストプレーだった。滞空時間の長いジャンプヘッドで相手に競り勝つと、しっかり額に当てたボールが、横っ飛びした圍謙太朗の手をすり抜けてゴールネットを揺らした。これが決勝点に――。最近1分2敗と不調だったチームを救う勝利に導いた。
試合後のインタビュー。ポーカーフェイスのジネイが珍しく興奮気味に語った。右ヒザ半月板損傷の重傷から復活したものの、ヴァンフォーレ甲府から退団を宣告された。そこで急きょ、手を差し伸べたのが松本だったという。
「実はブラジルへ帰る1日前、松本から声を掛けてもらいました。だから、今日は感謝の気持ちしかありません。特にサポーターの皆さんに恩返しをしたかった。今日、このゴールを決めることができて良かったです。
(レベル5スタジアムでは前所属の甲府に続いて今季2ゴール目だが?)何か運命を感じるところもありますが、今日は大事な勝利。J1昇格に向けて勢いをつける1勝になると思います」
そのようにジネイは喜んだ。
また、松本の反町康治監督はジネイについて次のように語った。
「加入してまだ短期間で、未知数のところがあり、我々もその未知数に驚いています。少ない時間であればあれぐらいの仕事はできると思っていました。フィジカルがまだ100パーセントではないので、鍛えて戦力にしていきたい。FWは得点することが仕事であり、次につながるゴールになったと思います」
また、この1勝の重みも感じ取っていた。
「向こうの前線は破壊力があったが、しっかり粘り強く守れたと思います。福岡までたくさんのサポーターは来れませんでしたが、(松本で)パブリックビューイングにたくさんの方が集まっていると聞いています。まさにみんなの気持ちが乗り移ったゴール。長いリーグでは苦しい時期も当然あり、今日はどちらかというと相手にチャンスがあったが、我々の粘り強さを発揮できた。次のホーム(15日・レノファ山口戦)での勝点3につなげたい」
指揮官はそのように語った。
町田ゼルビアが明日9日に試合があるため、松本は暫定で首位に再浮上。一方、福岡は上位との直接対決に敗れ、3位浮上も狙えたなかで6位に後退してしまった。
文:サカノワ編集グループ