【鹿島】半月板損傷で離脱の濃野公人…「クラブの未来のため」ポポヴィッチ監督が語っていた超攻撃的な新人SBへの期待とテーマとは
濃野公人。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
「前へ出て行くフィーリング、スペースを感じ取る感覚、ゴール前へ入っていく嗅覚を備えた選手」
J1リーグの鹿島アントラーズは10月1日、DF濃野公人(Kimito NONO)が右膝外側半月板損傷を負ったと発表した。全治期間は非公開で、今シーズン中の復帰は難しいと見られる。
9月28日の湘南ベルマーレ戦(●2-3)では、気迫のこもったアタックから2ゴールを奪取。しかし試合には敗れ、「試合の入りは悪くなかったので勝ちたかった……もったいなかった」と肩を落とした。
大卒ルーキーの超攻撃的サイドバックは、リーグ31試合に出場し9ゴール。凄まじいゴールの嗅覚を発揮していた。
鹿島のランコ・ポポヴィッチ監督は試合後の記者会見で、濃野について、次のようにそのポテンシャルを評価していた。
「非常に才能とポテンシャルがあり、前へ出て行くフィーリング、スペースを感じ取る感覚、ゴール前へ入っていく嗅覚を備えた選手です。これだけプロ1年目で試合に出続けた選手はなかなかいません。初めてコンスタントに出ているのは、師岡(柊生)、名古(新太郎)、知念(慶)もそうですね。
例えば(鈴木)優磨のように、チームの軸になっていく選手はいます。継続して出続けている選手は、そういった軸になる選手をサポートしていく役割があると思います。軸になっている選手がいいパフォーマンスをしているのは、たくさんの選手たちの支えがあってこそです。優磨もチャッキー(チャヴリッチ)が戻ってきたので、プレッシャーが分散すると思うので、また良くなっていくと思います」
指揮官は「クラブの未来のためにも」と、濃野を起用していきたいと語っていた。
「キミ(濃野)にも課題はありますが、そこにばかり目を向けてしまうと、彼の良さは出ません。成長を妨げてしまいます。課題があっても私は使っていきたいです。クラブの未来を考えれば、使っていくべき選手だと思います。
キミがチームを引っ張り、プレッシャーをはねのけていく存在ではまだありません。チームが彼を生かしているからこそ、結果を残せているところはあると思います。
今日の試合も2-0でリードしながら勝ち切れなかったのは、3点目を決めるところが足りなかったからだと思います。3点目を決めて相手の心を折る、そして失点をしないこと。全員で何ができて、何ができなかったかは話し合い、共通理解を深めたいです」
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濃野は今シーズン、公式戦は36試合(3180分)に出場していた。ルヴァンカップがグループステージ制ではなくなったこともあり、この過密日程についても、やはり考えていかなければいけないのかもしれない。