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「どこがゴール裏か分からないぐらい」久保建英がインドネシアのアウェー6万人を魅了:2018年10月28日【U-19アジア選手権/再掲載】

U-19アジア選手権に臨んだ久保建英。(C)AFC

日本代表として再びジャカルタの地で戦う――。

[北中米W杯アジア最終予選 C組 第5戦]インドネシア代表 – 日本代表/2024年11月15日21:00(現地19:00)/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が11月15日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第5戦、インドネシア代表とジャカルタで対戦する。

 久保建英は2018年10月28日、U-19日本代表のメンバーとして、今回の会場となるゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムでU-19インドネシア代表と準々決勝で対戦し、2-0の勝利を収めて翌年のU-20ワールドカップの出場権を獲得している。今回のメンバーでは他に、菅原由勢、橋岡大樹、谷晃生が先発、瀬古歩夢も途中出場し、大迫敬介はベンチ入りしている

 インドネシアのサッカー熱が現地からも報じられている。そのユース年代の大一番でもスタンドはチケットソールドアウトの6万人で赤く染まり、猛烈な声援がインドネシアの選手たちを後押しした。

「どこがゴール裏か分からないぐらいだった」

 その衝撃について、当時の久保が試合後に語ったレポートを再掲載したい。

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 U-19日本代表の久保建英が10月28日にゲロラ・ブン・カルノで行われたU-19アジア選手権・準々決勝のインドネシア戦、4-4-2のFWと右MFでプレーし、71分には宮代大聖のチーム2点目となる試合を決定づけるゴールをアシスト。来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ(W杯)の出場権獲得に大きく貢献した。

 久保が強心臓ぶりを発揮したのが、6万人の大アウェーの空気に包まれた首都ジャカルタ決戦の雰囲気を堪能しながらプレーしていたことだった。

「最初、みんなスピーカーを持っているのかと思うぐらい、全員の声が大きかった。日本の雰囲気とは違って、みんながみんな声がとても大きい。どこがゴール裏なのか分からないぐらいに」

 ボールを奪う、カウンターに持ち込む、コーナーキックを奪う、逆にクリアする……。攻撃でも、守備でも、インドネシアのあらゆる”ポジティブなプレー”一つひとつに大きな拍手が送られる。

 むしろそのインドネシアの選手たちを全力でサポートする雰囲気に、久保も新たな世界に触れたようにタフなプレーで応えた。

「それはなんだか、楽しいですね。盛り上がってくれて」

 途中からは雷も伴う猛烈なスコールに見舞われた。ミスが失点にも直結しかねない、日本には苦しい状況が続いた。久保は試合前に「自分たちで思い込み『厳しい戦い』にしてはいけない」と言っていた。その心構えで試合に臨めたが、実際は「いや、厳しかったです」と苦笑いを浮かべた。

「最終的に勝つことが大前提でした。ただ、この仲間とやって、仮に負けたとしても、後悔だけはしないなと思えるチーム。闘えるチームだと思います」

 そう久保は言った。

 試合後はインドネシアサポーターから日本の選手たちにも拍手が送られた。「JAPAN 9・KUBO」は、このインドネシア最大のスタジアムに集結した6万人をしっかり魅了していた。

 11月1日はサウジアラビアとの準決勝に臨む。久保は「この大会、二つの目標がありました。まずU-20杯の出場権を獲得するという一つを叶えられたので、次の目標である優勝に向けて、しっかり切り替えての臨みます」と、あと2つ勝ち、アジア無敗のまま日本へ帰る覚悟だ。

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取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI