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「サコくんのすごいところは」武藤嘉紀が語る大迫勇也との阿吽の呼吸。大きな声を掛けたその瞬間に…。ヴィッセル神戸に天皇杯”優勝決定ゴール”をもたらす

天皇杯決勝、神戸の宮代大聖のゴールを喜ぶ武藤嘉紀(右から二人目)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「チームが本当に強くなってきた」

[天皇杯 決勝]G大阪 0–1 神戸/2024年11月23日14:00/国立競技場

 第104回 天皇杯決勝、ヴィッセル神戸が宮代大聖のゴールでガンバ大阪に1-0の勝利を収め、5大会ぶり二度目の優勝を果たした。

 64分に奪った決勝点のシーン。佐々木大樹の競り合いからのこぼれ球を大迫勇也が確実にボールを収める。そのポストプレーに呼応するように、左サイドから飛び出した武藤嘉紀がパスを受けて、ゴール前へ抜け出しシュートを放ち、GKの弾いたところに詰めた宮代の得点となった。

 大迫と武藤による息の合ったプレーが、天皇杯の”優勝決定ゴール”をもたらした。

 武藤は試合後、得点シーンについて「シュートはフリーでしたが、キーパー(一森純)の出だしがすごく良かったのでコースがなく、『とにかく誰かがいてくれ』と。こぼれたらいいなというぐらいな気持ちでシュートを打ったら、上手くこぼれて、大聖が入れてくれました」と振り返った。

 また、完全に敵陣を攻略した大迫との連係について。武藤は「かなり大きな声をかけた」そうだ。

「かなり大きな声をかけました。サコくんのすごいところは、その声を掛けた瞬間、自分の位置を把握して、動きを変えられるところ。自分がドフリーというのが分かり、確実に出てくると分かっていた。だから、あまり近すぎるとスペースもなくなると思い、本当にいいタイミングでサコくんが感じてパスを出してくれました」

 まさに阿吽の呼吸。二人のコンビネーションで完全にガンバ陣内を崩したことで、決勝点は生まれた。

下(芝)がかなりボコボコしていたので、トラップには気を遣いました。最後仕留められれば良かったですが、結果的にゴールにつながったので良かったです」

「今日は正直、みんなのコンディションはそこまで良くなかったし、難しい試合でしたが、これを勝ち切るところが、今の神戸の強みだと思います」

 神戸の『11番』はこうしたタイトルマッチをしっかり1-0で勝ち切ったところに、これまでにないチーム力を感じ取っていた。

「失点ゼロで行ければ、僕ら(前線)がどんな形であれ1点を取る気持ちを持っています。今日は後半の早い時(64分)に決められて、それが守備陣の助けにもなったと思います。強いて言うならば、もっと圧倒したかった。試合の間隔も空き、調整もかなり難しかったです。今日試合できたことで、さらにコンディションも上がっていくと思います。ACLとリーグ2試合、素晴らしい結果を残せるようにしたいです」

 しかも、武藤にとっては嬉しい初の“カップウィナー”――カップ戦のタイトル獲得となった。

「何も変わらず、どんな形でも勝つことを求めてやりました。その結果がついてきて良かったと思います。あとはリーグタイトルを獲ること。それに尽きます。今日はとても嬉しかったですが、みんな羽目を外さず喜びすぎず。もう次の試合を見据えています。そういった危機感も持っていて、チームが本当に強くなってきたと思います」

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 神戸は2025-26シーズンのAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を獲得(リーグ3位以内に入ればACLエリートの出場権に)。11月30日のアウェーでのリーグ37節の柏レイソル戦で勝つか引き分けると、翌日のサンフレッチェ広島の北海道コンサドーレ札幌戦の試合結果によっては、リーグ2連覇と2冠が決まる。

Posted by 塚越始

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