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今後の争点は? 伊東純也の民事訴訟、女性2人が記者会見。虚偽はないと主張し謝罪を求め、全面的に争う姿勢

伊東純也。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

伊東側が約2億円の損害賠償を求めた裁判がスタート。

 フランス1部スタッド・ランスに所属するサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)MF伊東純也とトレーナーが性加害に及んだという虚偽の報道をされたとして、週刊誌を通じてその情報を流布した女性二人に対し、スポンサーを失うなど被った2億2000万円の損害賠償を求めた民事裁判の第1回口頭弁論が、11月26日に東京地裁で行われた。

 この問題の発端は2023年6月、キリンチャレンジカップの日本代表対ペルー代表戦(〇4-1)のあと、大阪府のホテルで、伊東とトレーナーが女性二人に対して不同意による性的交渉に及んだというもの。約半年後の2024年1月、アジアカップ期間中に週刊誌で大々的に報じられ、日本サッカー協会(JFA)の判断で伊東はチームから離脱に。伊東を失うとともに精神的にもダメージを受け、チームの一体感も損なわれた日本代表は、準々決勝でイラン代表に敗れて、アジア制覇を逃した。

 その後、被害を訴える女性の一人が伊東の元マネージャーから誘われてこの試合に来ていたこと。その元マネージャーとのトラブルなど、背景に複数の人間が絡み合っていることが明らかになっていた。

 そうしたなか伊東側は不同意性交などなかったと主張。女性側は不同意性交等罪で、逆に伊東側は虚偽告訴罪でそれぞれ刑事事件として告訴。しかし、いずれも不起訴処分に終わった。その結果を受けて、伊東は10月から日本代表に復帰していた。

 そして今回、伊東側が訴える民事裁判が開始。すると同日、『FNNプライムオンタイム』『テレ東BIZ』『弁護士ドットコム』などが、女性2人が行った記者会見の模様を詳しく伝えた。

 その報道によると、女性2人は虚偽など一切ないとして全面的に争う姿勢を示し、伊東とトレーナーに謝罪を求めている。一方、飲酒の影響で意識が定かではなく記憶は断片的ではあるものの、性交渉を持たれたのは事実だと主張している。トレーナーから被害を受けたという女性はPTSDを発症したと改めて語っている。

 対して伊東側は、これまで主張してきたように、全てがストーリー化されていると反論している。

 女性側が主張する、曖昧さのなかでの記憶により被害が立証されていくのか、そこで新たな証拠が提示されるのかはポイントになってきそうだ。とはいえ一室で起きた男女間のトラブルを、こうして1年半経ったなか、しかも飲酒していた状態であるものを完全に再現できる可能性は低い。

 裁判官が性交渉の有無、あるいは同意の有無、どちらに重きを置くかでも展開は変わってきそうだ。松本人志さんの時のように、今後の話し合いによっては、裁判官からの提案により、和解や訴訟取り消しに落ち着くこともあり得る。

 加えて女性の一人は仕事のためにアテンドされて被害にあったとも主張している。これはサッカー界(スポーツ界)としても真摯に向き合わなければいけない、もしかするとこの件だけではない、別の問題でもあるかもしれない。

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 また伊東側は7月29日付けで、週刊誌の記者などに対して名誉棄損の容疑でも東京地検に告訴状を提出している。