埼スタで音楽ライブ検討へ、浦和レッズが指定管理者から外れる。埼玉県は収益確保を目指す
埼玉スタジアム。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
サッカー日本代表にも影響か。
J1リーグの浦和レッズは1月8日、2005年度(今年4月~来年3月)の「埼玉スタジアム2002公園・指定管理者」に申し込んだものの、埼玉県による審査の結果、非指名になったと報告した。2020年度から5年間にわたり指定管理者「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワーク」に加わってきたが、その一員から外れることになった。
浦和レッズは、試合開催時の「来場者のニーズに適したスタジアムホスピタリティの機能拡充」などに取り組んできた。一方、クラブは新型コロナウイルスの影響で「目標として設定した収益額を確保することができませんでした」という。また、「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワークの一員として、構成4団体の有機的な連携を通じた相乗効果の創出を目指したものの、団体ごとの方針や価値観の隔たりが大きく、最後までその解決に努めたものの、相乗効果という点においては十分な成果を出すことができなかったとも感じております」と、今回の非指名になった理由と思われる点について触れている。
美園地区の充実のみならず、アウェーチームを含めて訪れる人たちの視点を伝える立場にあったが、クラブは「この様な結果となり大変遺憾に存じております」と受け止めている。
埼玉県(大野元裕知事)が策定した「埼玉県5か年計画/2022~2026年度」の「地域別施策」では、埼玉スタジアムの利活用について触れられている。項目「支え合い魅力あふれる地域社会の構築」では、「さいたまスーパーアリーナや埼玉スタジアム2○○2公園などを活用した多彩なツーリズムの促進」「東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーを生かした公園等の利活用」が掲げられていた。
また、埼玉県が今回の選定について公開している「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワークの選定理由」は次の通り。
・長年にわたる埼玉スタジアム2002公園の管理運営実績があり、安定した管理運営が期待できる
・スタジアム(大規模集客施設)に求められる機能や可能性が多様化している今、都市公園の中のサッカー専用スタジアムの特性を活かした様々な提案をしており、公園の新たな価値の創出につながる取組が期待できること
・これまで日本代表戦などの国レベルの大規模試合を安全かつ公正に数多く開催してきた運営実績やノウハウを持っている。また、プロサッカーの最高峰の試合にふさわしい質の高い芝管理技術を有する職員や組織体制であること
・音楽ライブ(コンサート)でのスタジアム利用や埼玉スタジアム2002オリジナルグッズの販売など、新たな収益源の確保に向けた具体的な提案が行われていること
――・――・――・――
そのように埼玉県は収益確保に向けて、これまで開催されてこなかった埼スタでの音楽ライブ(コンサート)などを検討するということだ。
近年は浦和のホームゲームが優先的に開催されてきた。一方、AFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を失い、公式戦の開催は減少しているのも事実だ。
2023年のピッチ大改修工事が行われた際、ハイブリッド芝の導入も提案されたなか、土田尚史・前スポーツダイレクターらが浦和レッズの立場として天然芝の維持を主張し、継続された経緯もある(浦和は大原サッカー場と同じ暖地芝を要望したが、それは認められず)。そうした背景(工事の1年延期など)もあって、現在開催中の2026年の北中米ワールドカップ(W杯)を目指すアジア最終予選(3次予選)は3月までの全てのホームゲームが埼スタで組まれている。
関連記事>>【移籍】浦和がクリスチアーノ・ロナウドへオファー「高年俸+クラブW杯出場」!?
国内最高峰である天然芝グラウンドを維持し、そこでのプレーを続けられるのか。今後はRB大宮アルディージャ、県内サッカー界、あるいは日本サッカー協会(JFA)との連携も求められるかもしれない。