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【浦和L】1年ぶり復活の猶本光「逆にそんな自分に驚いている」と語った理由とは? 励まし合ってきた安藤梢の存在。1/25皇后杯決勝・新潟L戦へ!

皇后杯決勝に向けて、意欲を示した浦和Lの猶本光。写真:佐藤亮太

奇しくも1年前の同じ日に同じ左ヒザ前十字靭帯を損傷、「ちょっと先に復帰しちゃいましたが、梢さんのリハビリの励みになれるようなプレーをしたいです」。

 三菱重工浦和レッズレディースは1月21日、25日の皇后杯決勝・アルビレックス新潟レディース戦に向けてメディアへの公開練習を行い、ゲーム形式のメニューなど約1時間半にわたって汗を流した。

 準決勝のINAC神戸レオネッサ戦(〇4-1)では、左ヒザ前十字靭帯損傷を負っていた猶本光が試合終盤に交代出場し、ちょうど約1年ぶりに戦列復帰を果たした。

 昨年1月20日の皇后杯準決勝サンフレッチェ広島レジーナ戦、日本女子代表にも選ばれていた浦和の「8番」は54分に負傷により交代を余儀なくされた。そして手術を経て、リハビリに努めてきた。

 この神戸戦の前週に全体練習へ合流。神戸戦の89分、ついに1年ぶりに公式戦のピッチに立つと、短い出場時間ながらシュートも放った。

 猶本は「思ったより特別な感情はありませんでした。スタジアムに入った時も以前と同じ感じで、試合も1年間やっていなかったというような感覚ではなく、自然とプレーできました。逆にそんな自分に驚いています」と、高揚感や緊張もなく、とても冷静だったという。

「サッカーができるまで、しっかり身体を作って復帰できました」

 あくまでも完全復活が目標であり、今回はその一歩目だ。リハビリは「きつかった」と正直に振り返り、再発をなるべく防ぐために強度にもこだわった。それだけに一心不乱にペダルをこぐバイクの練習メニューは堪えたそうだ。

「毎回『今日もやるのか……』と思いましたし、メニューが終わったらしんどくなり、毎日きついメニューでした」

 その日々を支えたのが、猶本が師と仰ぐ2022-23シーズンのMVPである安藤梢の存在だった。安藤もまた、奇しくも同じ試合で同じ箇所を負傷していた。そのためリハビリでも多くの時間を一緒に過ごした。

「安藤さんとは何を話したのか忘れるぐらい、ずっと話しをしていました(笑)。普通だったら心折れるようなメニュー、相当きついメニューを毎日一緒にやってきました。一人でやっていたら、結構きつかったと思います。お互いに応援しながら、時に自分自身を追い込みました。そのおかげで早く合流できて試合にも出られましたし、今日の練習も普通にゲームへと入れました」

 公開練習の11人同士による紅白戦で、猶本はトップ下に入り、ラストパスやシュートを放つなど積極的に攻撃に絡んだ。

「(練習に合流すると)体力的にしんどくなりますが、一切、問題なくできたことは毎日の積み重ねがあったからだと思います。ちょっと先に復帰しちゃいましたが、梢さんのリハビリの励みになれるようなプレーをしたいです」

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 まずは安藤の分まで戦い、皇后杯決勝では、浦和のタイトル獲得のために今持っている全ての力を発揮する覚悟だ。

取材/佐藤亮太