【ドイツ現地発】ミュンヘンの空に響いた”イトーコール”。伊藤洋輝の初ゴール、コンパニ監督が称賛「今後の活躍に期待したい」
伊藤洋輝(右)がバイエルン初ゴール! (C)Midori Ikenouchi
キミッヒ、ムシアラの負傷交代は心配だが…。
[ブンデスリーガ]バイエルン 4-0 フランクフルト/2025年2月24日(現地23日)/アリアンツ・アレーナ
ドイツ・ブンデスリーガ23節、FCバイエルン・ミュンヘンがアイントラハト・フランクフルトに4-0の快勝を収めて、首位をしっかりキープした。
バイエルンは前半終了間際に全試合フル出場中のヨシュア・キミッヒが負傷し、レオン・ゴレツカと交代。やや不穏な空気の漂うなか、このままハーフタイムに突入かと思われた。すると、前半終了間際の45+3分、ジャマル・ムシアラが絶妙なパスをレロイ・ザネへ。ザネの放ったスルーパスを、マイケル・オリーズが沈めて、先制に成功した。
さらに61分、オリーズの右コーナーキックが、ニアからすり抜けていき、ゴール前にいた相手選手がクリア。そのボールが詰めていた伊藤の目の前にこぼれる。バイエルンの21番はこれを右足で押し込み、アリアンツアレーナ初先発のデビュー戦で、移籍後初ゴールを決めてみせた。
味方選手も駆け寄るなか、伊藤は満面の笑みを浮かべて、このゴールを喜んだ。
伊藤はこのあと、このほど2030年まで契約更新したアルフォンソ・デイヴィスと交代している。
そして83分、アグレッシブにボールに食らい付くムシアラが、フランクフルトの手強いディフェンスを次々と交わして、一度転倒するものの、ボールを奪い返してシュートを決めて、チーム3点目をもたらす。
ただ、このゴールで足を傷めた売り出し中のムシアラはピッチに座り込んでしまい、セルジェ・ニャブリと交代に。すると、そのニャブリが試合終了間際に4点目を決めて、上位対決で4-0の完勝を収めた。
久々のバイエルンらしい躍動感のあるゲームに、チケットソールドアウトとなる7万5000人の大観衆は大いに酔いしれた。
フランクフルトのティノ・トップメラー監督は試合後の記者会見で「私たちは良いペースでスタートを切り、相手に強いプレッシャー掛けながら攻撃を重ねたがチャンスを活かしきれませんでした」と悔やんだ。一方、バイエルンのヴァンサン・コンパニ監督は「前回の厳しい攻防だったチャンピオンズリーグのセルティック戦から、上手く精神状態をニュートラルに保てています」と言い、ここからも一喜一憂せずに精進を重ねていきたいと強調した。また初ゴールを決めた伊藤を称えて、「今後の活躍に期待しています」と笑顔を見せた。
伊藤の名前を呼ぶコールもスタンドから起こり、ミュンヘンの空に響き渡った。長く続いたケガからの復帰を知るファンのみならずチームメイトからも、バイエルンの背番号21は大きな称賛を浴びていた。
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バイエルンは2月28日、アウェーでVfBシュツットガルトと対戦する。
text and photos by Midori IKENOUCHI