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遠藤航は出場せず。リバプールのスロット監督が語る“わずか1%”の敗因とは? ニューカッスルにカラバオカップ決勝完敗

遠藤航。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「期待外れのパフォーマンスでした」。久保建英とチームメイトだったイサクが決勝点。

[カラバオカップ 決勝] リバプール – ニューカッスル/2025年3月17日(現地16日)/ウェンブリー

 イングランド・リーグカップのカラバオカップ決勝、ニューカッスル・ユナイテッドFCが2-1でリバプールFC を下して、70年ぶりとなる主要タイトルを獲得した。リバプールの日本代表MF遠藤航はベンチ入りしたものの出場機会を得られなかった。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16のパリ・サンジェルマンとの死闘の末の敗退から中4日、そのショックは明らかに大きかったようで、リバプールの主力選手の動きは明らかに重く、キレのあるアタックを見せられない。一方、この決勝に準備万端のニューカッスルが立ち上がりからゴールへ迫り、レアル・ソシエダ時代に久保建英ともチームメイトだったエースのスウェーデン代表FWアレクサンダル・イサクを中心に攻め込む。

 そしてちょうど疲れが最初にピークを迎えた前半終了間際、コーナーキックからダン・バーンのジャンプヘッドで先制。さらに、リバプールが前掛かってきた後半立ち上がりの52分、左サイドのクロスから、落としに反応したイサクが豪快にネットを揺らし、2-0とした。

 90+4分にフェデリコ・キエーザが1点を返したリバプールだが、内容的には完敗に終わった。

 3冠の可能性もあったなか、この1週間で“2冠”を失うことに。リバプールのアルネ・スロット監督は試合後の記者会見で、「残念な結果、期待外れのパフォーマンスでした」と落胆。CLの影響を問われると「メンタル面への影響を判断するのは常に難しいことです。間違いなく、相手が私たちのプレッシャーを上回っていました。それが疲れによるものだったのかは判断できません」と、自分たちが悪かったわけではなく、それを相手が上回ってきたのでは――と見ていた。

 そして「(CLの結果が)私たちに影響したと感じるかもしれませんが、試合展開のほうを見てもらいたい。彼らはデュエルと空中戦に持ち込み、10回中9回は彼らが勝っていた。相手の空中戦の強さが、いずれも2ゴールにつながりました」として、「ニューカッスルの功績です」と“リバプール対策”に沈んだことを認めた。

 またコーナーキックから決まったバーンのヘディングによる先制点について、次のように語っている。

「ダン・バーンのような選手はゾーン(中央)に走ります。しかし彼は例外だと思います。あのファーから逆サイドに力強くヘディングする選手を見たことがありません。これは論理の一部ですが、100回中99回はゴールにつながりません。彼は称賛に値します。あの距離からヘディングでゴールを決められる数少ない選手の 1 人だと思います」

 そのように想定外だったという。ただ高さで明らかに不利なアレクシス・マック・アリスターがマーカー役で、そこを狙われたのも事実。むしろ、それまでも競り負けており、10本に1本、5本に1本はやられる可能性はあったと言える。

 ここからは2位アーセナルFCに12ポイント差をつけるプレミアリーグ制覇が唯一の目標になる。そこに集中できるだけに大崩れはないと見られるが……。

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 ユルゲン・クロップ体制に続き、フィジカル強度とトランジションのスピードが求められるスロットのスタイルは、またもシーズン終盤の勝負どころで勢いを失った。