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黒田監督のパワハラ疑惑、調査委「該当しない」と否定。一方、マネージャーが深夜のLINE後「適応障害」で休職中

黒田剛監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

町田ゼルビア、練習内容を巡るコーチへの「強い口調」、キャンプ日程問題など、一部事実は認める。

 J1リーグのFC町田ゼルビアは4月6日、同日に一部で報じられた黒田剛監督のパワハラ疑惑について、3月25日から4月4日まで実施したという弁護士3人による「特別調査委員会」の報告書を公式サイトで公開した。

 報じられている内容にいくつか事実はあるという。しかし黒田監督がコーチやマネージャーに対し叱責を続けたなどということはなく、同委員会はいずれもパワーハラスメント行為には「該当しない」と認定している。

 このなかで、黒田監督がコーチに対し、「俺が言ったのと全然違うじゃないか」「俺の言うことを聞けないのか」との趣旨の発言を「強い口調でした」という事実は認められたそうだ(同コーチは監督の意向を汲んで実施していたつもりだったと謝罪したことなども記されている)。

 そして浦和レッズ戦の失点を理由に、その後、試合中のベンチに入れない処遇を受けたことも事実だという。しかし、同委員会は認定基準にのっとり、「パワーハラスメントには該当しない」という認識を示している。

 一方、キャンプ中の練習試合の日程が全く決まっていなかったため、マネージャーが「責められた」という事実も確認されなかったという。ただし、実際にそのような日程問題があって、ミーティングが開かれたのは間違いないとのこと。

 そこで開幕戦と同じカードになった練習試合はキャンセルされることがあるため、日程発表直後に対戦相手を探す提案がされた。

 そして、Jリーグから日程発表があった13日深夜、黒田監督からそのマネージャーにLINEで「日程出たから、至急動いて!」「早くしないと最悪の結果になる」というメッセーが送られたことも確認された。

 しかし、このマネージャーはこの日から出社せず、「統合失調症」により現在も休職中であるということだ。加えて、これまでヒアリングは実施できずにいる。

 このケースも同委員会は次のように、パワハラには該当しないとしている。

「黒田監督がC氏(マネージャー)に対して日常的に圧をかけていたという事実については、黒田監督自身が否定しているほか、黒田監督がC氏に対して日常的に圧をかけていたと供述する者はヒアリング対象者の中に一人もおらず、事実として認められない。

 ヒアリング対象者の供述で一致するのは、C氏は能力が非常に高く優秀なマネージャーであったが、その反面、他人に仕事を任せることができず、すべて一人で抱え込む傾向があったため、それが積もり積もって適応障害になってしまったのではないかとのことであった。

 以上の事実からすると、C氏は2024年12月13日から現在に至るまで適応障害で休職しているが、それが黒田監督からの日常的な圧によるものとは認められない」

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 Jリーグも調査しているという。こうした「深夜のLINE」などが優越的な地位からの圧力になっていたかなどもポイントになりそうだ。