【Jリーグ】2021年の全クラブ経営情報開示。柏、磐田も加わり債務超過12クラブ。入場料収入は2019年の54%
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「現時点で経営の継続(資金繰り)が困難に陥っているクラブも存在しない」
Jリーグは7月28日、2021シーズンの全57クラブの経営情報を開示した。すでに発表されていた54クラブに柏、湘南、磐田の3クラブを加えたもの。債務超過は柏、磐田が加わり12クラブで前年比で2増えた。また赤字のクラブは前年比13クラブ減の22クラブだった。
コロナ禍の特例措置により、クラブライセンス制度の財務基準には抵触しない。Jリーグはコロナ禍のなかで、その特例を踏まえたうえで想定された状況であり、全体的には改善に向かっているという。
営業収益は合計1240億円で、前年比113パーセントの成長率だった。入場料収入は117億円で、コロナ前の2019年の216億円と比較すると54パーセントに留まっている。
Jリーグは「コロナ前の規模に戻りつつある(19年度対比97%)」と見る。ただし2019シーズンと比較すると、入場料はほぼ半減し、スポンサー費は微減であるものの(トップだった神戸の大幅減額が影響)、Jリーグ配分金、移籍金やコロナ禍の補助などの増額により営業規模を維持できている状況である。
単年度赤字クラブは22クラブで、20年度の35クラブから減った。一方、債務超過クラブは12クラブで、前年より2クラブ増えている。
Jリーグは「21年度はコロナ禍での予算編成であったため、ある程度のリスクを想定した経営が行えており、突発的に債務超過に陥ったクラブはなく、現時点で経営の継続(資金繰り)が困難に陥っているクラブも存在しない」と説明している。
債務超過のクラブは、仙台、柏、名古屋、C大阪、福岡、鳥栖、東京V、磐田、山口、福島、沼津、鳥取。
赤字クラブは、札幌、仙台、柏、FC東京、横浜FC、名古屋、C大阪、福岡、鳥栖、大分、水戸、群馬、東京V、磐田、山口、琉球、福島、沼津、岐阜、鳥取、讃岐、熊本。
今季まではコロナ禍の特別措置により、赤字・債務超過であってもクラブライセンスの財務基準には抵触しない。ただし2023シーズンで特例期間が終了することで、各クラブは申し合わせている。
そのため2024シーズン末までには債務超過が解消されていなければならない。または2022シーズン末から赤字が継続しているクラブは、2024年末に3期連続赤字に抵触する可能性がある。
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