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【移籍】久保建英のレアル・マドリード復帰へ希望、むしろ千載一遇のチャンスか。右MFのレギュラー不在、ロドリゴ放出濃厚…。バルサに屈辱4連敗

久保建英 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

クラシコではギュレルが前半で交代、ディアスもパッとせず。

 [スペイン1部 35節] バルセロナ 4-3 レアル・マドリード/2025年5月12日(現地11日)/エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス

 スペイン1部リーグ35節、レアル・マドリードはフランス代表FWキリアン・エムバペがハットトリックを達成したものの、3-4でFCバルセロナに敗れた。マドリードは今シーズン、屈辱の宿敵バルサに4連敗。

 前線の破壊力は凄まじいが、エムバペとヴィニシウス・ジュニオールが、どうしても役割や狙いが重なり、いまだに構造的な課題を改善できないもどかさしさが伝わってくる。クラシコは内容ではバルサに大きく上回られた。

 この日、改めて注目を集めたのが、ベンチにとどまったブラジル代表ロドリゴだ。結局、出場機会は得られず。しかも18歳の同代表エンドリッキが途中から起用されたのだ。

 4-2-3-1の右MFには、売り出し中の20歳のトルコ代表アルダ・ギュレルが先発起用された。しかしこの日はパッとせず。2-4とリードされたハーフタイムを挟み、モロッコ代表ブラヒム・ディアスが投入された。

 ディアスもアクセントにはなったが、チームの現状を打破する光明を放つような存在にはなれなかった。

 ロドリゴ放出がより濃厚になったなか、そうなると右MFがホットゾーン――来季2025-26シーズン、レギュラー不在のポジションになるのだ。

 となると、可能性として浮上するのが日本代表の久保建英(Takefusa KUBO)のマドリード復帰だ。

 来月24歳になるレフティの現在のメインポジションは、まさに右MFである。久保はレアル・ソシエダと2029年6月まで複数年契約を結んでいる。一方、レアル・マドリードは久保の実質50パーセントのパスを保有していて、移籍解除金6000万ユーロ(約98億円)の半額である3000万ユーロ(約49億円)で買い戻せる条項が付帯されていると言われる(他クラブからオファーがあった場合、その半額で買い取れる権利があるとも)。

 マドリードとしては、資金的にも魅力なタレントである。

 戦力的にはどうか。久保はドリブル突破から自らゴールを奪い切るプレーを武器としてきた。ヴィニシウスも、エムバペも、独力での打開が得意であり、どちらかというと、今のマドリードに求められるのはパサー的な前線のサポートタイプだ。ジネディーヌ・ジダン監督時代にテストされたボランチも将来的には求められるかもしれない。

 そのあたりのプレースタイルを、久保が受け入れられるかどうかもポイントになる。もちろんルカ・モドリッチやトニ・クロースのように、チャンスではゴールを奪い切る力も必要とされるに違いない。

 世界最高峰のクラブであるレアル・マドリードで、久保のポジションが確約されることなどない。ただ状況的には、エムバペ、ヴィニシウス、ジュード・ヴェリンガムとともにシン・銀河系を創り出す。そんな千載一遇のチャンスであるとも言える。

 レアル・ソシエダの来季、ヨーロッパカップ戦出場も難しい状況だ。今節はアトレチコ・マドリードに前半だけで元同僚アレクサンデル・セルロートに4ゴールを決められて、0-4の大敗を喫した。久保も前半で交代を告げられている。

 久保と世界のトップとの差は開いてきていないか。

 ラ・リーガの強豪レアル・ソシエダでコンスタントに試合に出ることは、日本人選手としては初めてで、とてつもない偉業を成し遂げている。ただし、世界基準で見ると、久保より若い世代が次々と現われ、メガクラブやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも活躍し始めている。

 もしも、レアル・マドリードから声が掛かれば……。白い巨人の一員として、タイトル獲得に貢献する。そんな久保もまた、ぜひ見てみたい。

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 いずれにせよ、今オフであれば、久保を巡って、モハメド・サラーの残留が決定したリバプールよりも、レアル・マドリードに復帰する可能性のほうが高まったと言えるかもしれない。