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Jリーグ、今季最初の日本人監督解任。J2最下位に苦しむ、愛媛FCが決断

愛媛FCのエンブレム。(C)SAKANOWA

横浜F・マリノスに続いて。

 J2リーグの愛媛FCは5月21日、2022シーズンからトップチームの指揮を執ってきた石丸清隆監督を5月20日付で契約解除したと発表した。21日のトレーニングから青野慎也ヘッドコーチが暫定的にチームの指揮を執る。

 2024年にJ2復帰を果たした愛媛は現在J2リーグ最下位に低迷。1勝7分8敗といまだ1勝しかできずにいた。今シーズン、Jリーグでの監督解任は、J1リーグ最下位の横浜F・マリノスに続いて二人目。J2リーグでは初めてで、最初の日本人監督の退任になる。

 両氏、クラブは次のようにコメントしている。

石丸清隆 前監督
「クラブに関わる全ての皆さま、特に日々共に戦ってくれた選手・スタッフ、そしてどんな状況でも支えてくださったファン・サポーターの皆さまに、心より感謝申し上げます。就任以来、チームの力を最大限に引き出すべく全力で取り組んでまいりましたが、結果として期待に応えることができず、大変申し訳なく思っております。

 このクラブには素晴らしい選手たちと、明るい未来があります。今後のさらなる飛躍を心から願っております。 これまで本当にありがとうございました。

クラブ
「愛媛FCファミリーの皆様 日頃より愛媛FCにご支援ご声援賜り、誠にありがとうございます。また愛媛FCを大切に思ってくださる皆様に多大なるご心労をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。 シーズン序盤からの大幅な遅れを取り戻すべく、マネジメントのやり方を変え、コミュニケーションの質と量を向上させることでトレーニングからの風土改革に取り組んでまいりました。その結果、改善の兆しは見られたものの、応援してくださる皆様からの熱い後押しを最大限に受けた四国ダービーにおいても、勝ち切るチームへと転換させる決定的な一歩とすることはできませんでした。

 この現状を真摯に受け止め、マイルストーンとして設定しておりました第19節の前ではございますが、残り少ない時間の中でこの状況を打開し、ここから勝利していくための大きな刺激と戦術的な変化を起こすには、最後のタイミングであると監督交代の判断をいたしました。このような結果となりましたことは、偏に私たちの力不足によるものであり、重ねて深くお詫び申し上げます。 選手たちは、このような厳しい状況下においても、誰一人諦めることなく、前を向き、日々懸命にトレーニングに励んでおります。これまで培ってきた戦う姿勢とチームワークをさらに発展させ、選手の持つ潜在能力を最大限に引き出すための新たな戦術へとシフトし、目の前の勝利だけを目指し、チーム一丸となって戦ってまいります。

 石丸監督におかれましては、J3に降格し最も苦しかった2022シーズンに監督就任をご快諾いただき、J3優勝とJ2復帰という大きな功績を残していただきましたこと、また3年半に渡りクラブに多大なるご貢献を賜りましたことに、心より深く感謝申し上げます。

 最後に、誠に恐縮ではございますが、シーズン開始当初に掲げました『昇格』という目標を『残留』へと下方修正させていただきます。第19節までに追いかけるべき勝点17につきましては、暫定的に監督にご就任いただきます青野慎也監督体制のもと、達成を全力で目指してまいります。

 大変差し出がましいお願いではございますが、この苦難を乗り越えるため、愛媛FCファミリーの皆様の力、そして揺るぎない熱いエネルギーをどうかお貸しください。

愛媛FC 代表取締役社長 村上 忠
取締役兼GM 村上 茉利江
フットボールダイレクター 青野 大介」

青野慎也 暫定監督
「シーズン途中の大変厳しい状況ではございますが、トップチームの監督を暫定的に務めさせていただくことになりました、青野慎也です。 これまでヘッドコーチとしてチームに関わってきた以上、今の結果が私にも責任があるというのは重々承知しています。 しかし、このクラブに育ててもらい、このクラブを愛する一人として、今の状況を打開したいという思いは人一倍強いと思っています。

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 地元愛媛のため、これまでの経験を活かし、全身全霊でチームの勝利に貢献できるよう努めてまいります。 最後に、愛媛FCをご支援いただいておりますスポンサーの皆様、ファン・サポーターの皆様にはご心配をおかけしているかと思いますが、どうか変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。 皆様と、この苦しい状況を共に乗り越えていきたいと思います」