×

【サッカー日本代表】久保建英の“起用過多”が心配。5大リーグ日本人選手最多50試合出場、3月のW杯予選後はノーゴールと疲れ気味

日本代表での久保建英。写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA

1年後のW杯へ、森保監督のマネジメントは始まっている。“久保だから大丈夫”が命取りにならないか。

 日本サッカー協会(JFA)は5月23日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の6月シリーズ(5日:オーストラリア代表戦 @パース、10日:インドネシア代表戦 @大阪吹田)に臨むメンバー27人を発表した。すでにW杯出場権を掴んだ日本は、18歳の佐藤龍之介ら初選出が7人で、計14人を入れ替え。ヨーロッパでの長いシーズンを終えた(今週末などに終える)三笘薫、堂安律、守田英正、伊東純也ら多くの主力メンバーの招集は見送られた。

 そうしたなか、来月4日に24歳になる久保建英が選出された。遠藤航、鎌田大地はレギュラーシーズンでの出場が限られたこともあっての選考だったが、森保一監督は久保の招集について、次のように説明した。

「今回のメンバーは経験値が低く、パリオリンピック世代よりも下のメンバーが多く招集されています。彼(久保)は日頃から年齢など関係なくチームのリーダーとして振舞ってくれていますが、今回新たに加わる選手のリーダー役として、同世代の選手として接し、いろんなものを見せてもらいたいと思い招集しました」

 22歳のGK鈴木彩艶がレギュラーの座を掴みつつある一方、フィールドプレーヤーでは久保世代“以降”の突き上げが物足りないという現実がある。この機会に、新世代のチームへの合流を円滑にする、そんな役割を期待しての招集ということだ。

 しかし――。久保は5大リーグに所属する選手では、ラ・リーガ、ヨーロッパリーグ(EL)、コパ・デル・レイなど今シーズン日本人最多となる公式戦50試合に出場している。出場時間は3401分。

 5大リーグ以外では、セルティックFCの前田大然がスコティッシュリーグやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)など同じく50試合、3963分に出場している(今回、未招集)。

 もしもJFAに“久保は常に元気だから大丈夫”というような考えがあれば心配だ。実際、久保は3月の北中米ワールドカップ(W杯)アジア予選後、スペインに戻ったあと、これまでノーゴールである。W杯の切符を掴んで勢いに乗ったとは言えず、他のチームメイトとともにガス欠気味に陥った。プレシーズンからの1年間を戦い続け、疲労の蓄積は明らかである。

 最後は連戦も続き、痺れるビッグマッチにも臨んだ一方で、なかなかエネルギーをフルに蓄え切れず乗り越えてきた印象だ。

 何より日本代表の主力選手に無理をさせて、現在の冨安健洋、伊藤洋輝のように、メガクラブやビッグクラブの選手が負傷離脱することを繰り返しては元も子もない。

 ちょうど1年後のW杯本番で、最大の火力を発揮できるように。久保が最大の輝きを放てるように。森保監督とJFAによる、その挑戦とマネジメントは始まっている。

関連記事>>【サッカー日本代表】森保監督が久保建英を“リーダー”に指名「新たに加わる同世代の選手に、いろんなものを見せてもらいたい」

 久保が所属するレアル・ソシエダは今日5月24日日本時間23時15分から、サンチャゴ・ベルナベウでレアル・マドリードと対戦する。今季公式戦ラストゲームになる久保に加え、このほど今季限りでの退団が発表されたマドリードのルカ・モドリッチも先発予定だ。